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テスラ関係筋が「サイバートラックの生産は進んでいない」と暴露。理由は4680バッテリーのドライコーティングにあり、製造時の熱で接着剤が溶けて「ネバネバする」

2023/12/28

テスラ・サイバートラック

| テスラ・サイバートラックに関しては様々な情報が飛び交っており、実際にはどれが正しいのかはわからない |

一般客向けの生産が行われているのかどうかもナゾである

さて、テスラはつい先月にサイバートラックの納車を開始していますが、納車されたのはテスラ従業員に対する「わずか10台のみ」で、一般顧客への納車はまだまだ先になる、という話も。

つまり11月末に開催された納車イベントはテスラの単なるパフォーマンスに過ぎず、実際には量産段階にないとする報道がチラホラ見られ、その理由はどうやら新しい「4680」バッテリーにあるもよう。

テスラとLGとが新型バッテリー工場を建設し「バッテリー需要逼迫」に備える
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現段階では4680バッテリーの生産は非常に難しい?

なお、この4680バッテリーについてはリマックやBMWも導入していると言われていますが、テスラはこの4680バッテリーの生産に新しい方法を取り入れ、ここで生じる問題を解決できずにいると言われています。※以前にも同様の問題が報じられたことがある

テスラ
テスラ・サイバートラック生産遅延の本当の理由は「4680バッテリーの開発遅れ」との報道。テスラは韓国LGやパナソニックに開発の協力を依頼していたようだ

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具体的には「セルのカソードにおけるドライコーティング技術」に問題があるといい、(匿名によるテスラの情報筋によれば)このドライコーティング技術は「実験段階と小さなバッテリーにおいては」従来のウェットコーティング手法よりも速く生産できることが証明されているものの、それを大量生産プロセスにて、さらにより大きなバッテリーで実装することは未知の領域であるといい、ここに大きな壁が立ちふさがっている、とのこと。

tesla-cybertruck (21)

さらにこの情報筋によると、「テスラはすでに自社の4680バッテリーセルのアノードをドライコーティングする方法を見つけてはいるが、バッテリーの中で最も高価な部品であるカソードのドライコーティングが非常に困難であることが判明した」。

そしてその困難の理由とは「バッテリーを大量に、かつ大きなバッテリーを生産すると大量の熱が発生すること」で、ドライコーティングをカソードに貼り付ける接着剤がこの熱によって溶けてしまい、最終的には「(コーティングや接着剤が)ただの大きなネバネバした塊」になってしまうのだそう。

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加えてテスラは「電極の生産をスピードアップする試みにも苦戦している」とされ、生産効率の向上を理由に、 より多くの部品を一度に金属箔でコーティングできるようにしたいと考えていて、そのためにプレスの役割を果たすローラーの幅を広げたものの、均一に圧力をかけることが難しく、目論見通りに「一度でコーティングを行うこと」を実現できていないことについても言及されています。

これらの技術はサイバートラックの製造における「核」であるとされ、よってこれらが解決できないとサイバートラックの量産は夢のまた夢ということになりますが、さらにテスラにとっての問題は「製造エラーを発見する方法が確立されていないこと」だとされ、つまり製造したバッテリーセルが良品なのか不良品なのかを判定できないということになりそうです。

試算によれば、テスラが計画しているだけのサイバートラックを製造しようとなると「1日あたり100万個のバッテリーセル」を製造する必要があるものの、現在の技術では「100万個のバッテリーセルを作るのに11日」かかるとも報じられており、いかに現在テスラが抱える問題が大きいかもわかりますね。

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テスラは2024年末までに8つのラインで4680バッテリーを生産する計画を立てていますが、この前提にあったのは「ドライコーティング技術の導入によってバッテリー製造コストを半減し、投資を削減し、計画している小型の”モデル2”をより安価で提供すること」。

ただし現時点ではこの実現は程遠く、何らかのブレイクスルーがなければ前に進めないといった状況にあるのかもしれません。

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なお、この「4680バッテリーの製造問題」があるとして、それでもテスラは(予定通りではないとしても)サイバートラックの生産を進めていると見え、新たにサイバートラックが「ライトショー」を演出する動画を公開しています。

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