
| 正直、新型モデルYの中古が格安で出回るようになれば「購入しよう」と考えている |
ただし、現在はおそらく「テスラの中古車がもっとも市場に溢れている時期」であり、今が安値のピークかもしれない
手頃な価格のEVを手に入れたい人にとって、テスラの新型モデルを待つ必要はないかもしれません。
車両検索サイト「iSeeCars」が行った最新調査によると、2024年3月から2025年3月までの1年間で最も価格が下がった中古車ブランドはテスラであることが明らかになり、「いま現在、もっともお買い得なEVなのでは」という見方が広がっています。
テスラのクルマは「古くなりにくい」
なお、テスラのクルマはいわゆる「ソフトウエア定義車両」であり、まずはソフトウエアを開発し、それを動かすためのハードウエアとしての自動車を作るという考え方なのですが、このメリットは「ソフトウエアをアップデートすればハードウエアの性能も向上する(ただし限界はある)」。
そしてテスラはしょっちゅう(もちろん販売済み車両を対象に)ソフトウエアのアップデートを行っているため、たとえ中古車であっても(ほかのメーカーのクルマがそうであるように)「イヤーモデルが古くなれば機能もそのまま古くなる」ということはなく、そして基本的にモデルチェンジもないために「外観もずっと(ほぼ)同じ」。
よってテスラのクルマを格安にて購入できるのであれば、比較的長い期間を通じて「最新の外観と最新の性能」を楽しむことができ、かつ売却時も「さらにそこから大きく値が下がり、ほかのEVよりも安くなってしまう」ことはないかもしれません。
テスラのクルマはこれだけ価格が下る
そして以下の表が値下がり率トップ(すべてのパワートレーン含む)を示したものですが、調査対象は、1~5年落ちの中古車約140万台。
中でもテスラ・モデルS、モデル3、モデルYがトップ10入りし、特にフラッグシップのモデルSは1位に輝いています。
順位 | モデル | 平均価格(2025年3月) | 年間の価格差 | 下落率 |
1 | テスラ モデルS | $47,931 | -$9,944 | -17.2% |
2 | ポルシェ タイカン | $75,407 | -$13,422 | -15.1% |
3 | フォード エクスプローラー ハイブリッド | $31,288 | -$5,136 | -14.1% |
4 | BMW 5シリーズ ハイブリッド | $34,375 | -$5,557 | -13.9% |
5 | テスラ モデルY | $30,611 | -$4,634 | -13.1% |
6 | マセラティ レヴァンテ | $45,413 | -$5,898 | -11.5% |
7 | メルセデスAMG GT | $78,676 | -$9,808 | -11.1% |
8 | テスラ モデル3 | $26,084 | -$3,193 | -10.9% |
9 | ジープ グラディエーター | $34,136 | -$4,089 | -10.7% |
10 | ヒョンデ コナ エレクトリック | $21,549 | -$2,462 | -10.6% |
コスパ最強はモデル3?
モデルYは下落率が13.1%と高いものの、価格は平均で$30,611(約470万円)。
一方、モデル3は平均価格$26,084(約400万円)と、さらに手頃で、EV初心者やコストパフォーマンスを重視する人にとっては、モデル3が最もお得な選択肢かもしれません(ただし売却時もモデルYのほうが高いと思われるので、トータルで考えるとモデルYの中古がベストかも)。
ポルシェ・タイカンも値下がり率を考慮すると「お買い得」かもしれませんが、腐っても鯛なので、値下がり後の価格もまだ高く、よって(新車価格に比較して安く買えたとしても)売却時にはまだ「下がる」余地を抱えています。※一方、テス・モデル3やモデルYは、一般的なガソリンエンジンを積む中古車と遜色ないレベルにまで価格が下がっており、ここからいっそう値下がりするとは考えにくい
ブランド別でもテスラが最大の価格下落
なお、ブランド全体でも、テスラは平均で10.1%(約3,541ドル)の下落を記録し、堂々の1位に。
順位 | ブランド | 平均価格(2025年3月) | 年間の価格差 | 下落率 |
1 | テスラ | $31,421 | -$3,541 | -10.1% |
2 | クライスラー | $24,712 | -$2,411 | -8.9% |
3 | マセラティ | $43,909 | -$4,106 | -8.6% |
4 | ジェネシス | $33,394 | -$2,339 | -6.5% |
5 | ダッジ | $33,072 | -$1,638 | -4.7% |
なぜこれほどテスラのクルマは値下がりしているのか?
そこで気になるのが「なぜテスラのクルマはここまで値が下がるのか」。
iSeeCarsのカール・ブラウエ氏によれば、「テスラは新車価格を何度も引き下げており、それが中古車市場にも直接的な影響を及ぼしている。
この戦略は当初、販売拡大に貢献したものの、2024年にはテスラとして初めて年間販売が減少し、その影響もあって中古市場にも値下がりの波が押し寄せています。
EVは今が買い時?
今回の調査では、トップ10のうち5車種がEVという結果となっており、ガソリン車よりも中古EVの価格が急激に下がっていることから「今が“お得にEVを手に入れるチャンス」とも言える状況に。
そしてテスラのEVがここまで手頃になるとは数年前には想像だにできず、この機会に「電動モビリティの世界に一歩踏み出す」のもいいかもしれませんね。
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参照:Motor1