
Image:Capricorn Group
| 「ザガート」だけにそのデザインはお墨付き |
レーシング界の巨匠カプリコーンがついに「自社ブランド車」を発表
ドイツの老舗エンジニアリング企業カプリコーン(Capricorn Group)がついに自社ブランドを冠した新型ハイパーカーを発表。
このクルマは「Capricorn 01 Zagato」と命名され、ボディデザインはイタリアの名門ザガート(Zagato)が担当し、そこへ最高出力900馬力を発生するスーパーチャージャー付きV8エンジンと5速マニュアルトランスミッションを組み合わせた”極めてアナログ志向の”スーパーマシンです。
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ル・マン14勝の技術を凝縮した“アナログハイパーカー”
カプリコーンはこれまで、ポルシェ919ハイブリッド(ル・マン優勝車)やF1マシンのシャシー開発を手掛けてきた名門。
シャシーはル・マン・プロトタイプ(LMP1)由来のカーボンモノコック構造を採用し、車両重量は1,225kg以下という軽さを誇ります。
リアミッドに搭載されるエンジンはフォード製5.2リッターV8をベースとし、カプリコーン独自のチューニングによって900PS/1000Nm近いトルクを発揮しますが、レッドゾーンは9,000rpmにも達し、最高速度は時速360kmをマークするようですね。
「Capricorn 01 Zagatoは、当社が数十年にわたり培ってきた超軽量技術と構造ノウハウの集大成です。」
カプリコーン グループCEOロベルト・ワイルド
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世の中には様々な「新興ハイパーカーメーカー」が存在し、その多くは実際にクルマを発売することなく消え去ってしまいますが、このカプリコーンはモータースポーツ界において実績があり、そしてデザインについてはザガートが手掛けるということで「実現性の高いプロジェクト」だと考えてよく、これまでに報じられた様々な新興ハイパーカーとは一線を画す存在だと言えそうです。
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翼なしでダウンフォースを生み出すザガート流デザイン
そしてこの「カプリコーン 01ザガート」は、ザガートとの共同開発によって「リアウイングを持たずにレースカー並みのダウンフォースを発生」することに成功。
エアインテークやボディライン、ドア表面の流体設計によって空気を内部に導き、ドラッグを低減しながら路面に押し付けるという(最新のハイパーカーらしい)先進的なアプローチが採用されていますが、それでいてデザインはクリーン、さらにはいかにも“走りに特化した芸術品”といえる仕上がりを持っています。
5速MT+ドグレッグ構造、900馬力を“操る楽しみ”
トランスミッションはイタリアのCIMA社製5速ドッグレッグギアボックス。
これはケーニグセグやパガーニなど世界最高峰のスーパーカーにも採用される高精度ユニットで、1速が独立配置されたレーシング仕様を持ち、2〜3速間の素早いシフト操作を想定して設計されていることが特徴です。
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加えてカプリコーンは「最新技術に支配されない、ピュアなドライビング体験」を重視しており、電動パワーステアリングも速度によってアシストを切る“ハイブリッド・アシストレス”機構を採用するなど、まさに現代では希少な「完全アナログハイパーカー」を作り上げることに成功しています。
生産はわずか19台、しかし“カプリコーン・ブランド車”は今後も展開へ
なお、このCapricorn 01 Zagatoはわずか19台のみの限定生産となり、これはザガート創業1919年へのオマージュ。
ただしカプリコーンは、今後も年間200台規模でハイエンドモデルを製造する計画を明らかにしており、他メーカー向けの少量生産契約やワンオフ受注車にも対応予定なのだそう。
長年「裏方」だった同社が、いよいよ表舞台へと躍り出る瞬間といえ、これはやはり「レーシングカービルダーであった」英国ランザンテが「ロードカー(ただしこちらはコンプリートカー)」業界に進出したのと同様で、新たなビジネスモデルの展開だとも考えられます。
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【まとめ】
Capricorn 01 Zagatoは900馬力を誇るV8、1,200kg台の軽量ボディ、そして5速MTという現代では極めて珍しい純粋な“ドライバーズカー”。
電動化が進む時代にあって、こうしたハードコアなマシンの存在は自動車ファンに強いインパクトを与えそうです(そしてこういったクルマを作ることができるのは「少量生産自動車メーカー」ならではの特徴および強みでもあり、”大きな可能性を持つニッチ市場”への挑戦でもある)。
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