| 日本では考えにくいが、欧米では防弾車の需要がけっこうあるようだ |
テールパイプには「詰め物防止」対策も
さて、何かと物騒な昨今ですが、欧州の一部地域や南米では銃火器を使用した犯罪が増加傾向にあるといい、そのために需要が増しているのが「防弾車」。
そして防弾車というと、どうしてもイカツいSUVを連想してしまいますが、「スポーツカーを防弾車にしたい」という要望も少なくはなく、そこでいくつかの会社は今回紹介するアストンマーティンのような防弾車をリリースすることとなっています。
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その防弾ガラスは44マグナムすら受け止める
そしてこのアストンマーティン・ヴァンテージは「アドアーマー(Addarmor)社」によって製作されたもので、フロントガラスとサイドウインドウ、リアウインドウの防弾性能はB4レベル、つまり44マグナム、357マグナム、9ミリパラベラムを受け止めることができるといい、さらにはルーフと燃料タンクを保護するために耐爆風硬化鋼が採用されている、と紹介されています。
なお、車体各部にも防弾のための変更がなされているそうですが、アドアーマーではスポーツ走行性能をスポイルしないようにケブラーを積極的に採用しているといい、そのクルマに合ったアップデートを施しているようですね。
その他面白いのはテールパイプにメッシュが貼られており、テールパイプ内に異物を入れられないようにしていること。
映画「ビバリーヒルズ・コップ」ではテールパイプにバナナを詰めてエンジンをストールさせようとするシーンがあったかと記憶していますが、ここまでの対策がなされているのはさすが専門業者ならでは、といった感じです。
ちなみにアドアーマーでは、ドアハンドルに電気ショックを与えるデバイスを仕込むことも可能だといい(この黒いチップのようなものから高電圧を発する)、これは誘拐対策にもなりそうですね。
防弾仕様のアストンマーティン・ヴァンテージのインテリアはこうなっている
そしてこちらは”防弾仕様”アストンマーティン・ヴァンテージのインテリア。
一見するとノーマルと変わりがないように見えますが・・・。
この分厚いガラスを見ると「防弾仕様」であることがわかります。
なお、防弾ガラスを使用したクルマの場合、ウインドウをぐるりと囲むように黒いトリムが見え(ガラスを張り合わせているため)、これによって防弾仕様であることがわかります(といっても、日本ではまず見かけることはないだろう)。
こういった分厚いウインドウを乗降させるためにはドア内張りや内部構造の変更も必要で、もちろんレギュレーターも変更する必要がありますが、そういったコストは「その人の命の値段」ということになりそうです。
そしてこちらが電気ショックを発生させるボタン。
アストンマーティン・ヴァンテージは4.0リッターツインターボV8エンジンを搭載し503ps(375キロワット)、685ニュートンメートルを発生させ、トランスミッションは8速オートマチック。
公称値だと0−100キロ加速は3.6秒ですが、このアドアーマーによるヴァンテージは「数百キロ」重量が増加しており(ケブラー繊維だけで200キロ)、この加速タイムは数秒くらい加算されることになりそうですね。
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