| ベントレーの顧客に提供するモノだけに、おそらく「価格に見合う価値」があるのだろう |
ブルメスターの導入以降、自動車用オーディオシステムの価格が飛躍的に高くなったように思える
さて、ベントレーはコーチビルドモデルとして18台のみ限定、価格およそ3億円というGTカー「バトゥール」を発売していますが、今回はそのバトゥールにオプション設定されるオーディオシステムを紹介しています。
このオーディオシステムはネイム・オーディオ社によって提供され、バトゥール専用にチューニングされていますが、驚くべきはその価格で、なんとシステム全体で250,000ポンド(現在の為替レートで約460万円)という設定を持っており、つまりはレクサスNXのベースモデル(455万円)よりも高価ということになりますね。
ネイム・フォー・マリナーはこんなオーディオシステム
このシステム全体はネイム・フォー・マリナー(Naim for Mulliner)と命名されており、6つのトゥイーター、9つのミッドレンジ・スピーカー、2つのウーファー、2つのアクティブ・バス・トランスデューサー、そして1つのサブウーファーという合計20スピーカーにて構成されています(バトゥールは2人乗りである)。
ベントレーによると「10,000時間に及ぶ開発作業と、卓越した新しいハードウェア、そして完全なシステムの再調整を経て完成した、これまでにない極上の車載オーディオシステム」だとされ、比類ない臨場感、ディテール、パワー、暖かさ、空気感、没入感を提供する、とも説明されています。
すべてのミッドレンジ・スピーカーとトゥイーターには「ネイム・フォー・マリナー」用に新しいスピーカー・ドライバーが採用され、ウーファーとサブウーファーにはリニアリティとダイナミクスを向上させるための改良が施されているようですね。
なお、スピーカー本体はフォーカル製「グランド・ユートピア」を使用しており、ミッドレンジとトゥイーター両方には特許取得済みの「M」コーンが採用。
単一ピースから作られた独自の「M」プロファイル(ダストキャップなし)によって驚異的な剛性を実現し、スピーカー・ドライバーにとって重要な3つの基準である「剛性、軽さ、ダンピング」を完璧に兼ね備えている、とのこと。
ベントレー・バトゥールは最初からネイム製オーディオを搭載することを前提に設計されている
もちろんこれらスピーカーの性能を最大限に引き出すため、ベントレーはバトゥールの設計段階からキャビン(特にドアとリアキャビン周り)の補強を行いったといい、これによってスピーカー取付部の剛性が飛躍的に向上。
こういった「共同作業」が可能となったのは、ベントレーとネイム・オーディオとが長年に渡るパートナーシップ契約を締結しているからでもありますが、今後EV時代を迎え、車内がより静かになってゆくと、オーディオシステムの重要性がこれまで以上にクローズアップされることになるのかもしれません。
なお、現在は様々なプレミアムカーメーカーが「より優れた」サウンドシステムを求めて可能性を模索していますが、比較的求めやすい価格帯だとボーズやJBL、さらに上になるとブルメスターやバング&オルフセンといったオプションが提供される場合が多いもよう。
そういった中でも今回のネイム・フォー・マリナーはかなり高価な部類となりますが、18人のバトゥールのオーナーのうち、どれくらいの人が選ぶのかはちょっと気になるところです。
ただしバトゥールのいずれのオプションも非常に高価であり、ゴールドのコントロールダイヤルが183万円だったりすること、そして1台3億円のクルマを購入する人の懐の深さを考慮するに、「その効果を体感できるオーディオに460万円」というのはそれほど高くはないのかもしれません。
なにより、せっかくのバトゥールだけに「完璧」を求めるオーナーも多いはずで、もしかすると18台全てにこのネイム・フォー・マリナーが搭載されるんじゃないか、とも考えています。
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参照:Bentley