| ぜひともジャガーにはかつての栄光を取り戻してほしいものだ |
これらコンティニュエーションモデルの価値がいったいどれくらいなのか想像もつかない
さて、ジャガーは2021年はじめに「Cタイプ」の復刻を行うと発表していますが、そのうち2台に特別なデザインを施したモデルを設定するとアナウンスしています。
なお、この”継続生産”についてはちょっとだけ補足が必要で、この継続生産(コンティニュエーション)シリーズは、当時車両を生産していた設備や工具、工法を使用して当時のままのクルマを現代において生産するというもので、近年ではジャガーが2014年に「XKSS」を生産したことからちょっとしたブームとなっているわけですね。
ジャガーはその後にD-Type(2018年)、そして今回のC-Typeへとそのシリーズを拡大していますが、アストンマーティンはDB5、ベントレーはブロワーを復刻するなど、歴史のある自動車メーカーにとっては大きなビジネスへと発展しています。
ちなみに「継続」と銘打っているのは、当初のジャガーXKSSについて、(当時に)本来予定していた生産台数を火事のために作れなくなってしまい、その「作るはずだったが、作ることができなかった」台数を現代において作ろうという意味合いがあって、ここは厳密に「復刻」とは区別する必要があるかもしれません。
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特別なジャガー C-Typeはこんな仕様を持っている
そして今回アナウンスされているジャガーC-Typeにつき、1953年のル・マン24時間レースにおいて、ジャガーCタイプが1位、2位、4位、9位を独占したことを記念してデザインされたことが大きな特徴。
この2台の特別なCタイプ・コンティニュエーション・モデルは、「70-Edition」と呼ばれ、そのうちの1台は、ヴェルビエ・シルバーにクランベリー・レッドのレザー・インテリアという特別なカラーで仕上げられ、ジャガーによれば、この内外装の組み合わせは二度と使用されない(ほかのCタイプの継続生産モデルでも使用が許されない)とのこと。
そして2台目は、1953年にル・マン24時間レースを制したCタイプへのオマージュとして、ワークスチームカラーのブリティッシュ・レーシング・グリーンとスエード・グリーンのレザー・インテリアという仕様です。
これら2台の「70エディション」について、ほとんどの仕様は(他の)Cタイプ・コンティニュエーションモデルと同じだといい、しかし「70-Edition」のステッチと刺繍、専用バッジ、そして70の数字が描かれたラウンデルが随所に施されています。
ジャガーCタイプはディスクブレーキを最初に採用したクルマのひとつ
なお、このジャガーC-Typeは「ディスクブレーキを最初に採用した」クルマのひとつで、強力なストッピングパワーをもってライバルを圧倒したことでも知られます(後のDタイプの時代であってもジャガー以外ではディスクブレーキを採用する例が少なく、制動力の差から追突事故が起きている)。
アルミニウム製の(おそらくはフルハンドメイドの)外装の下には、ウェーバー40DCO3キャブレターを3基装備した3.4リッター自然吸気直列6気筒エンジンが搭載され、その最高出力は220馬力。
馬力だけを見ると「大したことはない」と思ってしまいがちですが、C-Typeの軽量性、そして細いタイヤ、そしてもちろんABSはじめドライバーズエイドの類が何もないことを考慮すると、現代のクルマに比して「極めて」運転が難しかったと考えていいのかもしれません。
このCタイプ・コンティニュエーションについては、コベントリーにあるジャガー・クラシック・ワークショプにて、1台あたり3,000時間以上をかけて製造され、その最初のモデルが世界中の顧客へと納車納車されている最中だとされています。
ジャガー・ランドローバー・クラシックの戦略・事業開発担当シニアマネージャーであるマシュー・ベイリー氏によると、「C-type コンティニュエーションは、どのコレクターにとっても希少で特別な車です。しかし今回、そのC-typeの中でも、ジャガーとモータースポーツにとって記念すべき年を飾る、この2台の特別なモデルを公開することができて嬉しく思っています。1953年、ディスクブレーキの導入とC-typeの巧みなデザインとエンジニアリングが相まって、ル・マン24時間レースで圧倒的な強さを発揮しました。ディスクブレーキが業界の標準であることを、私たちはしばしば当然のことと思っていますが、C-typeは、70年前にジャガーがディスクブレーキ技術を開拓した歴史的に重要な車でもあるのです」とのこと。
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