やむなくジャガー・ランドローバーは現地生産を一部取りやめて急遽中国へと「輸入」することに
ジャガー・ランドローバーグループはアメリカにおける品質調査だと「ほぼ最下位」に位置することが多く、さらに悪いことにはその販売についても世界的に苦戦している模様。
他の自動車メーカー同様、ジャガー・ランドローバーにとっても現在中国は大きな市場ですが、既報の通り中国の自動車マーケットは2018年において、ここ28年ではじめて「減少」に。
加えて中国の自動車史上は8ヶ月連続前年割れだと報じられていいるものの、「プレミアムカーマーケット」は成長している、とも報告されています。
プレミアムセグメントではジャガー・ランドローバーは「一人負け」
実際のところ減少続きの中国マーケットにおいてもアウディ、メルセデス・ベンツ、BMW、キャデラック、ボルボ、レクサスはその販売を拡大しており、しかしプレミアムブランドの一角でもあるジャガー・ランドローバーは22%も販売を落とすことに。
そしてジャガー・ランドローバーが中国で販売を落としている原因の一つが「品質」だと言われ、これは中国で生産している車両のトラブルが多いことが関係しているようですね。
ジャガー・ランドローバーは2014年に中国のChery(奇端)との合弁にて中国での生産を開始しており、現地ではレンジローバー・イヴォーク、ランドローバー・ディスカバリー、ジャガーXFL/XEL、E-PACEを生産しています。
そしてその中国生産モデルについては「非常に」品質が悪く、工場操業開始以来、品質は改善しないまま。
2017年だとジャガー・ランドローバーは中国において13回もリコールを出しているそうですが(月イチのペースを上回る)、リコール該当の台数は106,000台にのぼり、なんとこれはその年に販売した70%にも達する、とのこと。
これにはさすがの中国人も黙ってはいないようで、上海のジャガー・ランドローバー本社周辺では昨年8月からずっと抗議活動が行われているとも報じられます。
こうなるともうジャガー・ランドローバーは流石に中国生産のクルマを売ることはできず、やむなく海外で生産したクルマを輸入し、かつ30%の値引きを大々的に押し出して販売している模様。
こうなるともうブランド価値は著しく失墜することになり、中国の生産も減少して従業員を1000人削減した上に5000人の一時休業を実施するはめに。
ジャガー・ランドローバーとしては中国を巨大市場だと捉え、そこで販売するには現地生産すれば大きくコストを削減できて利益が増加すると踏んだものの、結果として利益と信用を失うことになり、手痛いしっぺ返しを喰らったということになりますね。
しかしながらすべての中国の自動車メーカーが品質をコントロール出来ないわけではなく、中には「まとも」なところもあるかと思われますが、すべての生産を中国に移す予定であるボルボ、そして中国生産を加速させることなりそうなロータスは非常に心配だ、とは思います。