| マクラーレンはおそらくGMA T.50の存在を疎ましく思っているはずである |
ここでその血統の正当性を示そうと考えた可能性も推測できる
さて、マクラーレンは現在「新型ハイパーカー」の発表を控えている状態だとされますが(発表日はわかっていないが、今年の夏という説が有力である)、マクラーレンは3月からたてつづけにいくつかの商標を出願しており、まずは「W1」「MP1」、そして「H1」「U1」が出願済み。
いずれも「1」を含むという共通性があるものの、今回はまた新たに「1」を含む商標が出願されたことが明らかになっています。
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その商標は「BLOODL1NE(ブラッドライン)」
今回出願された商標とはズバリ「BLOODL1NE(ブラッドライン)」で、その中の「I」を「1」へと置き換えたもの。
このブラッドラインとは「血統」を意味しますが、その血統の中に「1」を含めることでそのDNAを指し示すものだと考えられ、つまりは「F1(フォーミュラ1)」をより強く連想させることを意図しているのかもしれません。
なお、ロードカーを開発・発売する「マクラーレン・オートモーティブ」、そしてF1はじめモータースポーツ活動を担当する「マクラーレン・レーシング」とは厳密に言えば別会社ではあるものの、拠点を同じくするグループ会社であることに変わりはなく、そして新しい経営方針のもと、これまで以上にF1との関連性を強めるという方針が採用されているようで、新型ハイパーカーについても「F1のイメージを取り入れる」とも言われているのが現在の状況です。
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なぜマクラーレンは「血統」を強調?
加えてですが、この「1」については、かの(ロードカーの)マクラーレンF1にも採用された数字であり、そしてこのマクラーレンF1は近代においてもっとも高額で取引されるクルマでもあり、自動車史上もっとも優れたドライバーズカーであるとの呼び声が高いスポーツカー。
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よってマクラーレンはこの「F1」を商業的に活用する意向も見せていて、そのために「1」という数字を使用する可能性もありますが、ここで気になるのがなぜ「BLOODL1NE」という商標を出願したのか、ということ。
これは上述の通り「血統」を表す文字ではあるものの、こういった表現はこれまでのマクラーレンにはあまり見られず、そもそもマクラーレンはフェラーリやポルシェのように伝統や過去の栄光を”それほど”押し出してこなかった(それよりも未来を見据えていた)ように思います。※特別モデルでは過去のレーシングカーを連想させるような”カラーリング”を採用することはあったが
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ただ、上述の通り現在のマクラーレンは(ロードカーの)F1イメージを活用したく、しかしちょっと困った存在がゴードン・マレー。
ゴードン・マレーはマクラーレンF1の設計者ではありますが、現在マクラーレンとは関係を持っておらず、そしてマクラーレンが「F1の精神を引き継ぐ後継モデル」として発表したスピードテールに対しても「F1の後継としては認められない」と発言し、その後にはF1に近い思想を持つ「T.50」を自身の主宰するゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)より発売してしまうわけですね。
マクラーレンとGMAでは会社の規模が全く異なるものの、マクラーレンのハイパーカーを購入する層であればゴードン・マレーの名を知らぬものはいないと思われ、かつマクラーレンF1の偉大さを十分に理解していると考えてよく、この存在はちょっと「やっかい」なのかもしれません。
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そこでマクラーレンが「自分たちこそ本家である」ということを強調するために用いたのがこのブラッドライン=血統であり、よりマクラーレンF1との関連性を示すために「1」を盛り込んだのではないかとぼくは考えているわけですね。※よってマクラーレンの新型ハイパーカーのベンチマークはGMA T.50なのかもしれない
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参照:CARBUZZ