| 近年のスーパーカー/ハイパーカーにおいて、これだけ話題を呼んだカラーリングも他にない |
価格は「ASK」、おそらくはヴェイロンの中では最高クラスだと思われる
さて、ブガッティが2011年に発売したヴェイロン・ヴィテッセ・ロル・ブラン(Vitesse L'Or Blanc)のうちの一台が中古市場に登場。
このロル・ブランはベルリン王立磁器製陶所(KPF)とのコラボレーションによって特別にデザインされたもので、陶磁器とそこへ映る光をイメージしたグラフィックを持っています。
なお、この「光」は左右対称ではないところが一層その芸術性を高めており、数あるヴェイロンの特別仕様車の中でも「もっとも特別な一台」といえるかもしれません。
実際のところ、ブガッティのデザイナーの「お気に入り」のひとつでもあり、シロンのオーナーがこれと同じ仕様でオーダーする例も少なからずあるようです。
ヴェイロン・ヴィテッセ・ロル・ブランはブガッティ創業者の精神を体現
なお、上述の通りこのヴィテッセ・ロル・ブランはブガッティとベルリン王立磁器工場(Konigliche Porzellan-Manufaktur = KPM)とのコラボレーションによって誕生していますが、これはブガッティ創業者であるエットーレ・ブガッティの「通常、自動車に使われない新しい素材を試すことを好んだ」という事実に由来している、とのこと。
当初ブガッティとベルリン王立磁器工場はブガッティのシンボルの一つ、「立ち上がる象(ブガッティ創業者の弟がデザインしたもの)」の陶製フィギュアを作ろうとしたそうですが、その後にアイデアがどんどんふくらみ、最終的に「もしクルマのボディが陶磁器でできていたら」というコンセプトにまで発展したのだそう。
ヴェイロン・ヴィテッセ・ロル・ブランの外装は、それ自体が芸術品であり、クラフツマンシップの最高傑作と言えますが、これを実現するに際し、ブガッティのデザインチームは、ボディシェルの自然な反射を「流れるような曲線と繊細なラインで視覚的に表現するために」数週間を費やしたといいます。
このグラフィックはボディカラーの上に「反射」を手作業にてペイントし、その上にクリヤーを塗って段差が出ないように均し、さらに5層のクリヤーを重ねることで透明感を演出するという手法を採用していて、その奥行きは画像越しにでも伝わってくるように思います。
ちなみに1200馬力ぶんの熱量に対応するための大きなエアインテークはヴィテッセの特徴のひとつ。
ヴェイロン・ヴィテッセ・ロル・ブランのインテリアはこうなっている
なお、ヴェイロン・ヴィテッセ・ロル・ブランのインテリアはこれまであまり報じられることがなく、しかし今回は貴重な画像も公開されています。
インテリアはブラックとブルー・インディゴレザーのコンビ、そしてクリアブルー仕上げのカーボンファイバー。
ドア内張りにもエクステリア同様に「陶器上に映る光」が再現されているようですね。
ステッチは「ベリーホワイト」。
ヴェイロン・ヴィテッセとしての「シャシーナンバー1」を示すプレート、そしてスイスの顧客に納車されたことを示すプレート。
ちょっと面白いのは、トランスミッショントンネル、リアバルクヘッドに設けられた陶磁器製のプレート。
「ラ・メゾン・ピュール・サン(純血の館)」という文字、そして”立ち上がる象”が再現されています。
このブガッティ・ヴェイロン・ヴィテッセ・ロル・ブランの走行距離はわずか7500kmにとどまり、プレートに記載の通り最初に納車されたのはスイスのオーナー。
製造開始から完成までを記録したヒストリーブック、そしてすべての書類や整備手帳が残っているといい、コレクション価値の高い一台だと言って良さそうです。
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