| ブガッティは「後世に正しい姿で形を残す」ことに注力し始めたようだ |
ブガッティだけに、レストア費用はおそろしく高そう
さて、ここ最近動きが激しいブガッティ。
まずはフォルクスワーゲングループ内にて「ポルシェの管理下」に置かれることになり、その後はリマックとの合弁にて「ブガッティ・リマック社」を設立し、今後リマックとの共同にて新型車を開発してゆくことがアナウンス済み。
ただ、製造や販売についてはこれまでどおり(合弁会社ではなく)ブガッティが行うとされています。
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ブガッティもレストア事業に参戦
そして今回ブガッティが公表したのが「レストア第一号車の完成」。
ジャガー、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ等の歴史ある自動車メーカーはすでにこの分野へと参入していますが、ブガッティが(110年以上の歴史を持つ割には経営母体が数回変わっているためか)レストアを行うと公表したのはつい先ごろの2020年。
そしてブガッティのレストアプログラム、「 La Maison Pur Sang( ラ・メゾン・ピュル・サン )」 にてレストアを終え、今回公開されたのがヴェイロン16.4グラン・スポーツのプロトタイプということになります。
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プロトタイプであるこの車は、北米、ヨーロッパ、中東などでショーカーとしての任務を果たし、世界中を旅をしてきたそうですが、ラ・メゾン・ピュル・サン を 率いるルイジ・ガリ氏 によると、「この車がブガッティにとって重要な歴史的モデルであり、2008年にヴェイロン・グラン・スポーツの発売に貢献したプロトタイプであることが公式にアナウンスされた後、急速に多くのコレクターの注目を集めるようになった」。
ブガッティによって作られた特別仕様車は固有のネームを持つことで知られ、この車両に与えられた名は「Grand Sport 2.1」。
ボディカラーはシルバーメタリック、インテリアにはコニャックレザー。
いったんはブガッティの手を離れたものの、ブガッティは2020年にこの車両を入手し、そしてフルレストアを行うこととなったそうですが、ブガッティには個々の車両の使用詳細が記録されており、今回のレストアは「歴史的モデルを当初の仕様に戻す(いくつかカスタムされていたようだ)」という目的もあったようですね。
現在ブガッティではこのレストアプログラムを幅広く開放しており、すべての顧客がこれを利用する事が可能。
ブガッティはかねてより「クルマではなく芸術作品を販売している」とも述べており、そこにはクラフトマンシップや性能といった面に加え、「永遠に価値が残る」という意味もありそう。
よってブガッティはその価値を損なわないよう今からレストアを行ってゆくのだとも考えられ、これはほかの自動車メーカーがレストアを行うのと同じ意図だとも考えられます。
現在ブガッティの各モデルは急速にその価値を上げているといいますが、今後ブガッティのクルマが電動化されるにあたり、「ガソリンエンジン搭載」「ガソリンエンジンのみで走る」最後の世代であるシロン、その前のヴェイロン、EB110も大きく値上がりすることになりそうですね。
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