| ただ、誤ったホイールと言えども「時速420km/hまでなら問題はない」ようだ |
そしてこの速度をオーナーが出すとは思えず、よって「常識的には問題がない」内容だと言えそう
さて、ブガッティが北米にて「シロン・スーパースポーツ」をたった1台だけリコールする、と発表。
理由としては「間違ったホイールが装着されていたから」ですが、その原因というのがちょっとややこしく、「シロン・スーパースポーツに、シロン・スポーツのホイールを取り付けてしまった」ため。
そしてこういった間違いが起きた背景としては、まずブガッティ・シロン・スーパースポーツの(顧客向け)コンフィグレーター上に(この時点で誤って)BBS製の軽量ホイールが選択できるようになっていて、北米にてたった一人の顧客がこのホイールを選択することに。
ただ、後になってそのBBS製軽量ホイールが「シロン・スーパースポーツでは検証されていない」ことが判明し、今回のリコールとなったわけですね。
よって、今回の問題は「組み立てやパーツの品質に問題がある」わけではなく、「検証されていないパーツが選べてしまった」という珍しいところにリコールの原因が存在します。
-
【動画】ブガッティが60台限定の新型車「シロン・スーパースポーツ」発表!その価格4.2億、1600馬力、最高速は440km/h
| シロンの受注枠はもう50台しか残っていないと言われていたが、今回の限定台数はなぜか「60台」 | シロン・スーパースポーツ300+に豪華なインテリアが与えられた高速ツアラー さて、ブガッティが新型 ...
続きを見る
シロン・スポーツとシロン・スーパースポーツの「20km」の最高速の差が問題に
ちなみにこのシロン・スーパースポーツは60台のみの限定モデルで、「シロン(標準モデル)の豪華さと快適さ、(世界最高速を記録した)シロン・スーパースポーツ300+の究極の性能」をバランスさせたハイパーカーであり、シロンシリーズではもっとも高価な価格設定がなされています。
-
ブガッティが「自動車の歴史上、誰も成し得なかった300マイルの壁を突破」するために何をしたのか?シロン・スーパースポーツ300+の16の秘密
| さすがにシロンの「ほぼ倍」の価格を誇るだけあり、多数の改良が施されているようだ | エアロパッケージが変更され足回りが固くなっただけのクルマではなかった さて、ブガッティは自動車の歴史上はじめて3 ...
続きを見る
この60台のうち、いったい何台が北米に割り当てられたのかは不明ではあるものの、少なくとも北米ではこのホイールを選んだのが「1人だけ」であったということですね。
NHTSA(米国道路交通安全局)発行によるリコール報告書によると、この”誤ったホイール”は車両の走行挙動に影響を与える可能性がありますが、そのリスクは車両がトップスピードモードを使用している場合にのみ生じるといい、それ以外のモードでは安全に運転できる、とのこと。
参考までに、シロン・スポーツは「加速重視のギアリングを持つコーナリングマシン」という性格が与えられており、よって最高速は(ギア比の関係で)シロン・スーパースポーツの440km/hよりもちょっと低めの420km/h。
-
ブガッティが「シロン・スポーツ」発表。ワイパーアームもカーボン製、「18キロ軽くなった」
| ハンドリングに特化、ブガッティ・シロンの新バリエーションが登場 | ブガッティが突如として「ブガッティ・シロン・スポーツ」を発表。 エンジン出力やパフォーマンス(加速や最高速)に変化はなく、しかし ...
続きを見る
そして今回はこの「20Km/h」の差が問題になったと考えて良く、「シロン・スポーツの420km/hでは問題がないことがわかっているが、シロン・スーパースポーツの440km/hでは試したことがない」ということになりそうです。
ただ、420km/hにしても440km/hにしても、オーナーがこの速度に到達することはまず無いものと考えられ、しかしブガッティは「シロン・スーパースポーツの最高速の領域において、このBBS製ホイールは「車両のエアロダイナミクスに悪影響を及ぼし、高速走行時にハンドリングを不安定にする可能性、そしてダウンフォースを減少させる可能性がある」とし、直接所有者に連絡を取って無償にてホイールを交換するとしています(そしてこのオーナーは、自分が唯一の”軽量ホイールを選んだ存在”だと知ることになる)。
-
ブガッティが「自動車の歴史上、誰も成し得なかった300マイルの壁を突破」するために何をしたのか?シロン・スーパースポーツ300+の16の秘密
| さすがにシロンの「ほぼ倍」の価格を誇るだけあり、多数の改良が施されているようだ | エアロパッケージが変更され足回りが固くなっただけのクルマではなかった さて、ブガッティは自動車の歴史上はじめて3 ...
続きを見る
参考までにですが、こういった「1台だけ」のリコールは過去にいくつかの例があり、4月にはランドローバーが米国で2023年型レンジローバー1台に(エキゾーストマニホールドの問題で)リコールを発表しており、昨年12月にはメルセデス・ベンツが「ダッシュボードが十分に取り付けられていない」ことを理由に2022年型Sクラスを1台のみリコール対象としたことも。
日本では、こういった少ない台数のリコールについては「少数リコール」として届け出られていますが、記憶の範囲では数年前にプジョー308が数台のみ「オーバーヒートの可能性がある」としてリコール対象となったくらいです。
合わせて読みたい、ブガッティのリコール関連投稿
-
ブガッティが「ボルトの締め付けトルク不足で」シロンにリコール!いつ、どの部分のボルトを、どれくらいのトルクで締め付けたのか完璧に記録し、問題車両の生産日まで特定
| さすがはブガッティ、こういった点がオーナーに支持されているのだと思われる | 現時点では本件にかかわるトラブル、事故は報告されていない さて、ブガッティが米国道路交通安全局(NHSA=Nation ...
続きを見る
-
シロン・ピュールスポールの専用タイヤに「クラックの可能性」としてリコール!ただし現在は改良されたタイヤがないため、ブガッティは「改良タイヤができるまで」無償でこまめにタイヤを換え続けるもよう
| さすがはブガッティ、そしてオーナーとしてはタイヤ代が浮くのでありがたい | 改良版タイヤの開発には、テストを含めると数年はかかりそうだ さて、ブガッティが北米にてシロンのスパルタンモデル、「ピュー ...
続きを見る
-
ブガッティがシロン/シロンスポーツ/ディーヴォにリコールを2件発表!「ESP制御不具合」「ドライブシャフトが折れる」。のべ77台に影響
米国NHTSA(national highway traffic safety administration=米国運輸省道路交通安全局)がかなり珍しい、ブガッティのリコールを発表。こういったハイパーカ ...
続きを見る
参照:NHTSA