| ただしこの6台に限らず、いずれのフェラーリも高い価値を誇っている |
フェラーリの歴史はモータースポーツの歴史と直結している
さて、これまでにも「ルーフ」「テスラ」「ハイパーカー」「映画に登場したクルマ」など様々なテーマにて展示を行ったピーターセン自動車博物館。
今週は(フェラーリがル・マン24時間レースで優勝したという)絶好のタイミングにて、「マラネロ・マスターピース」と題された展示が行われ、これは主にエンツォ・フェラーリの功績に焦点を当てたものだと紹介されています。
ここでどんなクルマが展示されるのか、その内容を見てみましょう。
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1956 フェラーリ 250GT ツール・ド・フランス
この1956年型250GTツール・ド・フランスは最も象徴的なフェラーリのひとつであり、わずか9台しか生産されなかったのシリーズI(ワン)ベルリネッタ・コンペティツィオーネのうちの1台。
展示される250GTベルリネッタ・コンペティツォーネは、アルフォンソ・デ・ポルタゴとエドマンド・ネルソンによるドライブにて1956年のツール・ド・フランス・ラリーで1位を獲得したその一台だとされ、250GTベルリネッタ・コンペティツィオーネシリーズの躍進のきっかけを作った個体なのだそう。
なお、このツール・ド・フランス・ラリーにて優勝した自動車メーカーは、その名を製品に使用することが許されたといい、後の2015年には、このツール・ド・フランス・ラリーをイメージしたF12tdf(ツール・ド・フランス)も登場していますね。
今回ピーターセン自動車博物館に展示されるF12tdfは1956年型のフェラーリ250GTツール・ド・フランスと同じカラーリングを持っていますが、このF12tdfは生産台数わずか799台という非常に希少価値の高いモデルです。
1947年製 フェラーリ 125S
この125Sは、フェラーリの名を冠した最初のクルマでもあり、搭載されるのは118馬力を発生する1.5リッターの”コロンボ”V12エンジン。
エンツォ・フェラーリはアルファロメオのレーシングチームを経て自身のレーシングチーム(後のフェラーリ)を設立していますが、古巣アルファロメオでの同僚がジョアッキーノ・コロンボであり、エンツォ・フェラーリの依頼によってジョアッキーノ・コロンボは自身で初めてエンジンを設計し、このエンジンはその後40年にわたっていくつかのフェラーリに搭載されています。
驚くべきことに、現存するフェラーリ125Sはわずか2台なのだそう。
1984年 フェラーリ 512BBi
1981年から1984年にかけて生産された512BBiは、フェラーリの歴史の中で非常に特別なクルマ。
512BB(ベルリネッタ・ボクサー)は、フェラーリの名前と跳ね馬のバッジをつけた初のミッドエンジン搭載ロードカーですが、「ボクサー」と名がつくものの、実際に積まれたのは「フラット」V12で、形式をフラットとしたのは(ギアボックスとの位置関係で)高くなってしまうエンジン位置、そしてそれに起因して高くなってしまう重心をすこしでもカバーしようと考えたためだとされています。
なお、エンツォ・フェラーリ自身は「エンジンはフロントに搭載されるべき」だとも考えており、しかし当時スーパースポーツセグメント(そしてモータースポーツにおいても)ではミドシップカーが台頭していて、フェラーリとしてもライバルに対抗せざるをえなくなり、そこで登場したのがこの512BB。
ただし、エンツォ・フェラーリ自身は「このクルマが売れるかどうか」発売前には不安をいだいていたといい、しかし御存知の通りこの512BB、そしてこれに続くフェラーリのミドシップカーは大成功を収めます。※エルメネジルド・ゼニアによるウールクロスのインテリアもオプションで用意されていたらしい
1957年 フェラーリ 500TRC
1957年に発表された500TRCは、FIAの国際競技規則(ISC)の変更により、従来の500TRが競技に使用できなくなったことに対するフェラーリのひとつの回答で、500TRCの「C」はISCの附則Cの変更点を意味しています。
フェラーリはこの変更に対応するため、助手席側ドアの追加、コックピットの拡大、ワイパー付きウィンドスクリーンの装着、さらには取り外し可能な布製の幌を採用することになったと紹介されています。
外観上は500TRとほとんど同じように見えるものの、ホイールアーチ、フェンダー、ボンネットは低くなっており、なにより500TRCはフェラーリ最後の4気筒レーシングカーであること、さらにはわずか19台しか生産されなかったことから高い価値を誇ります。
2004年 エンツォフェラーリ
エンツォフェラーリはF50の後継車として登場した「スペチアーレ」で、F1テクノロジーにインスパイアされたグラツィアーノ製「F1」オートメーテッド・マニュアルトランスミッション、カーボンファイバー製ボディといった特徴を持っています。
車体をデザインしたのは当時ピニンファリーナに在籍していたケン・オクヤマ(奥山清行)氏であることが良く知られており、「ガンダムをモチーフにした」と語る通り、それまでのフェラーリとは大きく異なるルックスを持っています。
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