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ランボルギーニ、新特許によって「形状記憶合金」を利用したアクティブウイングを開発中であることが明らかに

ランボルギーニ

| ランボルギーニはいつも「常識外」の発想を持ち込んでくる |

「モータースポーツ」にバックボーンを持たないからこその柔軟な発想か

さて、現在のスポーツカーそしてスーパーカーにおいては、様々な規制によってガソリンエンジンのパワーを追求することが難しくなっており、よってパフォーマンスを向上させるための手段が「効率」へとシフトしつつあるように思えます。

その効率とは「パワートーレン」であったり「空力」であったりするわけですが、とりわけ空力分野におけるここ数年の進歩は目覚ましいものがあり、そしてランボルギーニはこの分野でのリーダーともいえる一社です。

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なお、ランボルギーニは社是として「モータースポーツにワークス参戦しない」という方針を持っていて、この姿勢はポルシェそしてフェラーリとはまったく異なるものであり、これによって「ポルシェやフェラーリほど、モータースポーツ活動で得た知見を市販車にフィードバックできない」というデメリットもあるものの、逆に「モータースポーツにとらわれない、自由な発想」をもって市販車の開発を行うことができるというメリットが生じているように思えます(モータースポーツには多くの規制があり、新技術を自由に試せるわけではない)。

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ランボルギーニ、革新的アクティブエアロを特許申請


そして今回明らかになったのが、ランボルギーニが「レヴエルトなど最新モデルに採用可能な新しいアクティブウイングの特許を出願した」こと。

特許文書と図面によると、このウイングは「常に」ダウンフォースを発生させるのではなく、必要な時にだけ強力なダウンフォースを発揮できる仕組みを備えているのが特徴です。※ダウンフォースを発生させる考え方の一つは「抵抗(代表的なのものはスポイラー)」であり、しかしこれは速度やパワーをロスするため、近年ではより効率的なダウンフォース発生方法が求められている

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従来型アクティブウイングの問題点

アクティブエアロはすでに多くのスポーツカーに採用されていて、速度に応じてドラッグやダウンフォースを調整したり、航空機のエアブレーキのように作動するウイングも存在しますが、しかし、従来の方式には以下のような課題が存在するのもまた事実。

  • 電動もしくは油圧式アクチュエーターが必要
  • 機構が複雑で重量増につながる
  • ヒンジやモーターの設置スペースが必要

そこでランボルギーニは今回の特許の中で、既存の可動式ウイングを「複雑で場所を取る」と指摘し、よりシンプルで軽量、扱いやすい構造を目指したと記載しているわけですね。

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「形状記憶合金」を利用した新しい解決策

今回の特許で注目されるのが、形状記憶合金(SMA) の利用であり・・・。

  • 形状記憶合金は、加熱すると元の形状に戻る特性を持つ金属
  • 電気を流して特定の部位を加熱することで、ウイング表面を変形させる
  • 通電を止めると元の形状に復帰する

つまり、モーターや油圧を使わずに、電流で自在に形を変えられるアクティブウイングが実現できるということに。


従来型より効果は小さい?

ランボルギーニは、この新技術が従来の完全可動式ウイングほどの効果を発揮するとは主張しておらず、しかしドラッグ低減による最高速度や燃費の改善、あるいはコーナリング時の安定性強化など、十分に有効な効果が期待され、特許の中ではエンジンフードやルーバー付きリアカバーなど、ボディのパネルの一部分にも応用できる可能性が示されているため、「サーキット走行メイン」のハードコアモデルではなく、より一般的なモデルにおいて採用がなされるのかもしれません。

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まとめ

  • ランボルギーニが形状記憶合金を利用したアクティブウイングを特許申請
  • 軽量かつシンプルで、従来のモーター駆動より効率的
  • ダウンフォースとドラッグを状況に応じて最適化可能
  • 将来的にはボディパネルやルーバーにも応用の可能性

ランボルギーニはこれまでも「ALA」などの革新的なエアロ技術を採用してきましたが、もしかすると今回の特許は”ランボルギーニの次世代モデル”で実際に採用される可能性があるのでは、と考えたりします。

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参照:CARBUZZ

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