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こんなコンセプトカーもあった、ディーゼル×スーパーカー「R8 V12 TDI」。ディーゼル不正事件引き金の一つ?

2017/12/22

| この頃、アウディは本気でディーゼルスーパーカーを作ろうとしていた |

まさかのディーゼルエンジン搭載のアウディR8、「Audi R8 V12 TDI」。
2008年のデトロイト・モーターショーでデビューした車ですが、世にも珍しい「ディーゼルエンジン搭載のスーパーカー」。
エンジンは6リッターV12ツインターボディーゼルで493馬力、トランスミッションは6速マニュアル(トルクが大きすぎて当時のセミATは絶えることができなかった)。
0-100キロ加速は4.2秒、最高速は時速300キロ以上、というスペックです。

ル・マンにもディーゼルエンジン搭載のレーシングカーを投入し優勝している

およそ10年も前の車にはなりますが、この時期アウディは本気で「ディーゼルエンジン搭載スーパーカー」構想を練っていたようで、実際に2006年にはディーゼルエンジン搭載のル・マン・プロトタイプ、「アウディR10 TDI」でレースに参戦し、その年のルマンではディーゼル車初の総合優勝を果たしています。
なお、この「R10」に関してはアウディ史上最も「高額」な費用が投じられたとしており、そのためにアウディは市販車へとこれを転用して「モトをとりたかった」のかもしれません。※そのためか、このAudi R8 V12 TDIはのちに「R8 TDI Le Mans」と名を変えてジュネーブ・モーターショーに展示され、R10との関連性を強調している

なお、この頃すでにランボルギーニはアウディ傘下に入っていますが、ランボルギーニにもディーゼルエンジンの搭載が検討されていたようで、当時ランボルギーニ本社からランボルギーニオーナー宛に「ディーゼルエンジン搭載のランボルギーニは許容できるか」等のアンケート調査が実施されています(ぼくのところにも来た)。

デザインは極めて現実的、恐らくは本気で市販を考えていた

話をR8 V12 TDIに戻すと、その外観は市販モデルのR8に準じるものの、ルーフはグラストップとなり、NACAダクトが追加。
エンジンヘッドや補強?のためのバーは美しく装飾されていて、これは最近発表された「アウディスポーツ」によるTTS/TTRS向けのパーツ、もしくはTTクラブスポーツ・ターボのリアトランク内補強パーツにも似ており、当時から現在までデザインが一貫していることもわかります。

そのほか、R8最大の特徴である「サイドブレード」は拡大され、フロントバンパーのエアダクトも大型化。
ヘッドライトは当時としては珍しいフルLEDヘッドライトを装備し、ドアミラー、サイドステップ、リアバンパー、リアディフューザーも変更に。

アウディは相当真剣にこの「ディーゼルエンジン搭載スーパーカー」の市販化を検討したようですが、「十分な市場がない」としてプロジェクトは終了。

しかしながらディーゼルターボエンジンやその技術はQ7その他のモデルへと受け継がれることになり、その後「ディーゼルゲート」へと発展。
アウディがディーゼルエンジンをそこまでして(不正を行ってまで)推したかった理由としては、ディーゼルが一般的である欧州市場でのシェア獲得といった側面があったとは思われるものの、やはり「アウディ最大の」コストが投じられた「R10計画」、この「R8 V12 TDI」にかかったコストを吸収したかった、ということがあるのかもしれませんね。

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