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| アウディに久々のスポーツカー旋風 |
生産台数は限られ、価格も「安くはない」
さて、アウディは先日「衝撃の」スポーツカー、コンセプトCを発表していますが、これは概念としての「TTの再来」を狙ったもので、ポジションとしては「TTとR8との中間くらい」を狙ったものだと報じられます。
そして価格は「安くはなく」、さらには生産台数も限定的で、つまるところこれは「利益を目的としたものではなく」、アウディのイメージ向上のための広告塔として機能することが予定されており、これは「明確な利益を追求し、イメージうんぬんといった曖昧なものにはお金を投じない」フォルクスワーゲングループとしてはかなり異例の判断であるとも考えています。
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ガソリン仕様は存在せず、完全EVで登場
しかし実際のところ、ここ最近、アウディの新型車でこれほどの注目を集めた例はなく、新しいデザイン言語を採用したクリーンなエクステリアと上質な素材を用いたインテリアが話題となり、現時点であっても「一定の成功を収めた」と考えていいのかも。
そしてアウディはその成功を更に確実なものとすべく実際にこのクルマを市販する計画を持っていますが、アウディCEOのゲルノート・デルナー氏は「販売台数は年間で数万台規模に留まるが、収益性を確保できる」と自信を示し、一方でチーフクリエイティブオフィサーのマッシモ・フラスケッラ氏は「コンセプトCはすでに完成度87%に達しており、市販版でもデザインの変更は最小限にとどまる」と述べています。
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デザインはほぼ完成、名称は未定
なお、名称は名称は未定だといい、このコンセプトカーのモチーフとなった「TT」復活の可能性も残されていますが、TTよりはサイズが大きいため、そして高額なクルマとなるため別名となる可能性が高い、という可能性が高いとも報じられています。
そしてデザインに加えて注目すべきはそのパワートレインで、リアの水平スリットの奥にも、フロントのボンネット下にも内燃機関は存在せず、実際にアウディの技術開発部スポークスマン、ダニエル・シュスター氏は「コンセプトCにガソリン仕様は存在しない」と明言することに。
もちろん市販モデルもEV専用となり、フォルクスワーゲングループ内で新開発された次世代EVプラットフォームを採用するということが明かされています。
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ポルシェ718後継と技術を共有か
シュスター氏の発言からは、ポルシェの次世代718(ボクスター / ケイマン)との共通点が多いことが読み取れますが、718は2026年にEVとして登場予定で、アウディの新型も同じプラットフォームを利用する可能性が高いと見られていて、ただし、ボクスターとケイマンが2種類のボディタイプを継続するのに対し、アウディは異なるアプローチを採用することも判明しています。
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クーペとロードスターを統合、電動リトラクタブルハードトップを採用
「コンセプトC」は、従来のTTやR8のようにクーペとロードスターを分けるのではなく、一体型のボディ構成を採用し、電動式のリトラクタブルハードトップを備え、2枚のルーフパネルがリアデッキ下に収納される仕組みを持っており、これにより、クーペからロードスターへ自在に変形できるタルガ的構造となりますが、実は「アウディが電動ハードトップを採用するのは初めてのこと」。
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車両スペックと今後の展望
車両重量は1,690kg(3,725ポンド)と、R8 V10 スパイダー クワトロと同程度に収まることが明かされ、ガソリン仕様に比べれば重いものの、EVとしてはまだ軽量な部類かもしれません。
駆動方式は後輪駆動が基本ですが、将来的にはフロントモーターを追加し、電動版クワトロシステムを搭載する可能性もあるといい、正式な市販モデルは2026年に登場予定のポルシェ次世代718が披露された後に発表されると予想されています。
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