| ジャーマンスリーの恐れていたことが現実に |
2017年の欧州高級車市場において、テスラ・モデルSがメルセデス・ベンツSクラス、BMW 7シリーズを制してナンバーワンとなっていた、とのこと。
統計によるとテスラ・モデルSは16,132台(前年比+30%)、メルセデス・ベンツSクラスは13,359台(3%ダウン)、BMW 7シリーズは11,735台(前年比+13%)。
もはやこの勢いは止めることができない
つまりテスラ・モデルSはメルセデス・ベンツSクラスの20%以上も売れているということになり、これはちょっとした異常事態。
なおテスラのお膝もと、アメリカにおける2018年1月の販売は2,800台で、もちろん高級車セグメントではナンバーワン。
2位のメルセデス・ベンツでは1,569台となっており、欧州以上にその差は大きくなっています。
さらに驚くべきは欧州におけるテスラ・モデルXの販売。
2017年においてモデルXは12,000台を販売していますが、もれもモデルS同様に「セグメントでナンバーワン」。
2位はポルシェ・カイエンで12,000台とモデルXと同じ数字となっており、3位はBMW X6の10,000台。
とにかく「高級車」市場ではテスラが圧倒的な強さを示している、ということになりそうで、これを見る限りジャーマンスリーは「なんとかしないとヤバいんじゃないか」という気も。
現在メルセデス・ベンツはEVブランドとして「EQ」をスタートさせていますが、これはいまのところ「エントリークラス」。
ただ、EVを購入する層は高額所得者であり、おそらくはエントリークラスのEVを購入しない可能性も。
EV、PHEVはどうしても高価な買い物であり、ガソリン車よりも車体が高価になるという性質上、「お金を節約したい」と考える人々にとっては「手を出しにくい」買い物だと思われます。
その意味ではEVを普及価格帯の車の代替として販売するのは間違いで(将来的にバッテリー価格が安くなり、車両本体価格も安くなるのであれば別ですが)、EVは高額所得者を狙った「高級車」として発売するのが正解なんじゃないか、とも考えたり。
つまりメルセデス・ベンツはEVにおいてエントリークラスではなく、高級車を発売すべきだということですね。
そう考えるとポルシェ「ミッションE」が現在各社が投入しようとしているEVの中では「もっとも正解に近い」可能性があり、唯一テスラ・モデルSに一矢を報いることができる可能性を持つのかもしれません。
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テスラが2016年第三四半期において驚異的な伸びを示し、高級車セグメントにおいてメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWを下すという結果に(過去二度目)。
テスラ・モデルSクラスはこの期間に9,156台を販売し、同期間においてメルセデス・ベンツSクラスは3,138台、BMW7シリーズは3,634台、アウディA7は1,532台と「圧倒的」な数値となっており、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの3社を足した以上の数を売っている、ということになります。
テスラ・モデルSはもはや高級車セグメントにおいて34%のシェアを持つにいたり、今回の伸び(59%)を考慮するとそのシェアは更に増える可能性が大。
日本だと大型セダンにおいてはやはりメルセデス・ベンツ、そしてBMW、レクサスといったところが強いように思われ、まだまだテスラは少数派ですが、北米のこの数字はちょっとショッキング。
どうりでどのメーカーも「テスラ・モデルSの対抗を作らないと」と躍起になっているわけですね。
このままだともしモデル3の生産が軌道に乗ると、本当に何十万台という規模でデリバリーされ、一気に市場をひっくり返してしまいそうに思います。