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BMWのデザイナー「7シリーズの巨大グリルには理由があったのだ。誰もが好むデザインは難しい」。批判に耐えかねていることを告白

2019/07/04

| 加えてほかのモデルに採用されるグリルは大きくならないということも主張 |

おそらく、BMW史上これほどまでに議論を巻き起こしたことは無いであろうクルマ、新型7シリーズ。

要はその巨大すぎるグリルが「やりすぎ」ということですが、これに対する批判が止まらないわけですね。

そして今回、BMWのデザインを統括するアドリアン・ファン・ホーイドンク氏が、そのグリルについて「これ以外の選択肢はなかった」とコメントを発しています。

なぜBMW 7シリーズは巨大なグリルを装着しているのか

そこでこの新型7シリーズですが、「新型」といえどもフルモデルチェンジではなく「マイナーチェンジ(フェイスリフト)」。
つまりフェイスリフト=小変更の常識を打ち破り、キドニーグリルを大きくするためだけにボンネットを5センチ高くするなどの構造変更を行っていて、つまりBMWはキドニーグリルの巨大化にそうとうなコストを突っ込んだということになります。

そしてアドリアン・ファン・ホーイドンク氏いわく、その理由としては「5シリーズとの差別化を行う必要があった」。
5シリーズと7シリーズとは同じCLARプラットフォームを使用していますが、そのぶんサイズ感などに大きな差異がないのも事実。

よって価格の高い7シリーズは「5シリーズとは異なる」ということを視覚的に理解させる必要があり、その手段が「巨大なキドニーグリル」というわけですね。

批判には傷つけられた

そしてアドリアン・ファン・ホーイドンク氏は「新型7シリーズの発表以来、数々の批判にさらされ、それらにはずいぶん傷つけられてきた」とも。

しかしながら上記の理由もあり、「それは仕方なかった」ということ、加えて「誰もが満足するデザインを採用することは不可能」だとも主張しています。

それはたしかにそのとおりで、かつてマザー・テレサが「愛の反対は憎しみではなく無関心」と述べたとおり、憎しみすら持てないような、「無難な」デザインを持つクルマを好きになる人が現れようとは思えず(少女漫画でも、はじまりはたいてい”なにアイツ”というマイナス感情から始まってカップルになる)、とくに大衆車ではなくプレミアムブランドであるBMW、かつそのフラッグシップたる7シリーズだと「アクが強い」デザインでないと生き残れないのかもしれません。

ちなみにBMWは過去に「走るスリッパ」という不名誉極まりないニックネームを頂戴した「Z3クーペ」を発売したことも。

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この際のコピーは「Love it, or leave it.」つまり「愛するか、立ち去るか」ということで、当時からBMWは挑戦的なデザインを意識していたのかもしれませんね(でないと後にもクリス・バングルのデザインを採用できない)。

アドリアン・ファン・ホーイドンク氏は、「ほかのBMWも7シリーズ同様に大きなキドニーグリルを持つことになるか?」という質問に対しては、「安心していい。私はBMWを”オーバーサイズなキドニーグリルを持つブランドにする気はない”。あくまでも7シリーズはそういった必要があったから大きなグリルを持つだけだ。ほかモデルのキドニーグリルはスタイリッシュなままだ」。

しかしながら、新型X5や新型X7のキドニーグリルも7シリーズ並みに巨大化しており、アドリアン・ファン・ホーイドンク氏のコメントをそのまま信用することはできないな、と思う今日このごろでもあります。

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