| なぜBMWが燃料電池車に注力するのかはわからない |
さて、現在自動車メーカー各社とも2020年の業績を発表している最中ですが、今回はBMWが「8.4%減の232万4809台だった」と発表。
もちろんこの減少はコロナウイルスの影響によるものですが、この影響が薄れた第四四半期には前年同期比3.2%プラスという明るい材料も見られた模様。
地域別に見ると欧州が-15.7%、アメリカでは-18.0%、しかし中国は7.4%増という伸びを見せており、これは他の自動車メーカー同様だと言えそうです。
一般には「コロナウイルスは中国発祥」ということで反中感情が広がっているものの、結果的には中国に助けられたということになるのかもしれません。
BMWはトヨタとの提携を継続
業績の発表とともにBMWが強調したのが「トヨタとの提携強化」。
BMWとトヨタとはZ4そしてGR スープラを共同にて開発していますが、この関係を2025年以降も継続したいと述べており、ということは、現行Z4とGRスープラは2025年までに生産を終了させるということを示しているのかも(たしかに、GRスープラは2024年で終わりだと言われている)。
さらにBMWが言うには「数十年にわたり提携を強化」する意向を示しており、具体的な車種について触れることはなかったものの、燃料電池車については強化する方向性を示したとされ、この分野においてトヨタとの関係性を強めるのかもしれません。
なお、水素を使用した燃料電池車については、ドイツ政府がこれを推進しているため、様々な補助をはじめ恩恵を受けることができるようですね。
ただ、それを含んだとしても燃料電池車の普及には相当に高いハードルがあり、ぼくはなぜBMWやトヨタ、そしてヒュンダイ(ヒョンデ)がここに注力するのかが理解できずにいます。
ちなみにBMWはメルセデス・ベンツGクラスの対抗馬が欲しいのか、「次期ランドクルーザーはトヨタとBMWとの共同開発に(そしてBMWはもちろん、自社でもランドクルーザーのBMWを販売する)」というウワサも出ていますね。
BMWはEV生産計画を「前倒し」
BMWは燃料電池車のほか、EVについてもこれまで以上に注力する方向性を示しており、2021年から2023年にかけてのEV生産台数を「計画から25万台プラスする」とコメント。
加えてEV販売比率を現在の8%から(2023年には)20%にまで引き上げるとしていますが、これまでEVのシェア拡大に悲観的だったBMWからすると大きな転換で、しかしなんらかの理由があるものと思われます。
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参照:Reuters