| そもそも対象やポジショニングが異なる |
メルセデス・ベンツは「CLS」AMG GT4ドアクーペ」という、二種類の4ドアクーペを同時期に発売していますが、実際にこれらは同時に開発が進められた「兄弟車」。
通常であれば明らかに競合するこの二車ではあるものの、メルセデス・ベンツいわく「両者の間には明確な”ライン”があり両者が比較されることはない」とのこと。
これはメルセデス・ベンツのオーストラリア地区コミュニケーション・マネージャーがメディアに対して語ったもので、CLSのトップレンジは「CLS53」にとどまり、しかしAMG GT4ドアクーペの方がずっとスポーティーだ、という理由。
たしかにAMG GT4ドアクーペはの最上位モデルである「63S」はAMG GT R譲りの4輪操舵や577馬力という強力なエンジンを持ち、価格はもちろん性能としてもCLSとは差がつけられている、ともいえます。
加えてAMG GT4ドアクーペはポルシェ・パナメーラやマセラティ・クワトロポルテ、BMW M8 グランクーペの競合だとも語っており、そもそも「スタイリッシュでスポーティーなEクラス(のちょっと上)」と位置付けられるCLSとは住む世界が異なる、と考えている模様。
なおドイツ本国だとCLSは780万円ほどがスタート価格で、AMG GT4ドアクーペは1900万円ほどから。
日本ではCLSの価格が799万円からと発表されているものの、AMG GT4ドアクーペの価格は未定(本国のバランスを見るに、2000万円くらい?)。
CLSは「53」が457馬力(マイルドハイブリッド)、AMG GT 4ドアクーペだと「63S」で630馬力。
たしかにかなり価格や馬力が異なるのは間違いなく、メルセデス・ベンツのいう通り「両者は競合しない」のかもしれません(実際のところ、メルセデス・ベンツはCLS”63”を発売すればAMG GT4ドアクーペS63と競合するとして発売の予定はない、と述べている)。
ただ、ぼくが思うのはポルシェ・パナメーラやマセラティ・クワトロポルテを購入する人たちは「スポーツ性能」を求めているわけではなく、快適さや豪華さ、それらとパワフルさとのバランスを求めているのだろうと考えていて、その意味だとAMG GT4ドアクーペも「パフォーマンス」よりはゴージャスさを追求した方が良かったのでは、と思うことも。