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| 「元祖」ラグジュアリーオフローダーは「格」が違う |
一方、電動版Gクラス「G580」の販売は苦戦中
メルセデス・ベンツを代表する車種といえばSクラスやEクラスが挙げられますが、実はGクラス(通称:Gワゴン)もそれに並ぶ長寿モデルです。
そして今回、Gクラスにつき累計生産台数60万台という大きなマイルストーンを達成した、とアナウンスされることに。
1979年に登場したGクラスは、当初軍用車両としての性格が色濃く、無骨で堅牢なラダーフレーム構造と三つのディファレンシャルロックを備える本格オフローダーとして誕生。
しかし現在では、ラグジュアリーとオフロード性能を兼ね備えた“唯一無二の存在”として世界中の富裕層に支持されています。
いったい何が転機となりラグジュアリーカーとして認識されるようになったのかはわかりませんが、「価格の高さ」「燃費の悪さ」「サイズ」など”購入・維持に関わるハードルが高く”、その排他性がセレブ感を生み出したのではないかと考えています。
わずか2年で10万台増。Gクラス人気は「うなぎのぼり」
特筆すべきは、直近2年間の生産ペースです。2023年4月には50万台目の生産が発表されており、それからわずか2年で10万台増加したことに。
これは、Gクラス全体の20%が過去2年で生産された計算になり、同車の人気がかつてないほど高まっていることを意味しています。
なお、記念すべき60万台目はオブシディアンブラックの電動Gクラス「G 580 with EQテクノロジー」で、オーストリア・グラーツのマグナ・シュタイアー工場でラインオフした個体なのだそう。
特別仕様車と“マヌファクトゥーア”が人気を牽引
Gクラスの魅力は、単なる性能や歴史にとどまらず、メルセデス・ベンツは現在、Gクラスの顧客の90%以上が「マヌファクトゥーア(特別オプション)」を選択しているとのこと。
マヌファクトゥーアでは、クラシックカラーや伝統的な内外装トリムが特に人気だとされ(やはりヴィンテージスタイルが人気なのだと考えられる)、2023年には最大2万通りのカラーバリエーションが提供された、と説明されています。
さらには「特別モデル」の人気も高く、なかでも注目されたのが「Gクラス・ストロンガー・ザン・ダイヤモンド・エディション」や「ストロンガー・ザン・ザ・1980s」など、往年のGクラスをオマージュした特別モデル。
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メルセデスは今後もこの伝統を継続していくとしていますが、マヌファクトゥーアの傾向とあわせて考えても「ヘリテージ」路線へと向かってゆくのかもしれません。
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ラダーフレームと丸目ライトは健在。Gクラスの“レシピ”は変わらない
誕生から45年、Gクラスの設計哲学は大きく変わっていません。
- ラダーフレーム構造
- フルロック機能付きの3つのデフ
- 伝統的な丸目ヘッドライト
- 横開きリアドアとスペアタイヤ
- 直線的な“ボクシースタイル”
こうした要素は、電動化やデジタル化が進む現代においても、Gクラスが“Gクラスであり続ける”ために守られています。
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電動Gクラスは苦戦中? しかし“ベイビーG”の登場が期待される
Gクラスは非常に高い人気を誇るモデルではありますが、なかには「例外」もあり、それは今回の60万台記念車ともなった「G 580 with EQテクノロジー(電動版Gクラス)」。
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この電動Gクラスの販売はメルセデス・ベンツの期待を大きく下回っているとされ、その理由としては価格の高さや、従来モデルのファンが内燃機関に強いこだわりを持っていることなどが挙げられます。
ただ、それが新たな可能性を生み出しつつあることも事実であり、メルセデス・ベンツは現在、よりコンパクトで内燃機関を搭載した「ベイビーGクラス」の開発を進めていると報じられており、こちらは顧客の強いニーズに応えるモデルとなりそうです。
加えて「V8の継続」についても正式にアナウンスされており、「電動モデルへの完全シフト」については計画がキャンセルされたと考えて良さそうですね。
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結語:Gクラスは“変わらないこと”が最大の魅力
Gクラスは、時代に合わせてEVや高級仕様へと進化しながらも、根本のコンセプト――「どこでも行ける信頼性と、唯一無二の存在感」――を変えずに貫いてきた一台。
そしてこの一貫性こそが、Gクラスが40年以上にわたり愛され続けてきた理由なのだとも考えられます。
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