| このオーバーフェンダーはとてもメーカー純正の状態だとは思えない(しかしれっきとしたノーマルである) |
6リッターV12ツインターボエンジンの出力は650馬力、トルクは怒涛の1,000Nm
さて、メルセデス・ベンツというと「高級車」というイメージがあるものの、過去には「190E 2.3(2.5)16」「500E」といった過激なクルマをリリースしており、さらには「CLK DTM」「CLK GTR」といった狂気としか思えないモデルを発売したことも。
そして狂気というと忘れてはならないのが「ブラックシリーズ」であり、AMG Oneがその座を奪取するまでニュルブルクリンク最速の市販車であったGMG GTブラックシリーズが記憶にあたらしいところです。
ただ、このブラックシリーズには「SLK55 AMG Black Series(2006年)」「CLK63 AMG Black Series(2007年)」「C63 AMG Black Series(2012年)」「SLS AMG Black Series(2014年)」「SL65 AMG Black Series(2008年)」といった先輩たちがおり、今回はそのうちの「SL65 AMG Black Series」が競売に登場しています。
メルセデス・ベンツ SL65 AMG Black Seriesは当時とんでもない数値を誇っていた
このメルセデス・ベンツ SL65 AMG Black Seriesは350台が限定生産され(日本には12台が入ってきたという記録があり、新車価格は4480万円)、搭載されるエンジンは6リッターV12ツインターボ、最高出力は670馬力という文字通りのモンスター。
御存知の通りメルセデス・ベンツSLは何十年も前からメルセデス・ベンツの定番車種であり、これまでにも数多くのAMGバージョンが存在してきたものの、このブラックシリーズは「特別中の特別」な存在です。
実際のところ、メルセデス・ベンツ自身がブラックシリーズを指して「妥協無しの究極のクルマ」だと表現しており、それはAMG GTブラックシリーズが「FRながらも」ミドシップスーパースポーツに対抗したところを見ても明らかかと思います。
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このメルセデスSL 65 AMG ブラックシリーズのエクステリアは、パラジウムシルバーメタリックと呼ばれる色調で、その深い輝きと陰影によってフロントとリアのホイールアーチのフレアが強調されており、フロントホイールは19インチ、リアホイールは20インチ、タイヤサイズは255/35と325/30(ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2)※この当時で前後異径はかなり珍しい
この前後フェンダーの張り出しに大きなリアウイング、リアディフューザーなど、その雰囲気は「チューナーによる改造車」というもので、まさかこれがメルセデス・ベンツ純正の状態だとは誰も思わないかもしれません。
なお、この世代のAMG各モデルはとんでもない爆音を発するので、ブラックシリーズともなると、もう耳をつんざく絶叫レベルなのだと思います。
フロントフェンダー後端には大きなダクト。
前後フェンダーの張り出しにあわせ、ドアやサイドステップもドーンと張り出しており、このあたりはロードカーというよりもレーシングカーを連想させる部分ですね。
エンジンフードはカーボンファイバー製。
エンジンヘッドカバーもカーボン製。
バッテリーはリアトランク内の低い位置にセンターマウント(FRなので、前後重量配分改善のためにこの位置にバッテリーを積んでいるのだと思われる)。
メルセデスSL 65 AMG ブラックシリーズのインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのメルセデスSL 65 AMG ブラックシリーズのインテリア。
装甲はわずか3,800マイル(約6,115キロ)ということもあってかなり綺麗な状態です。
ドアパネルなど随所にはカーボンファイバー。
この「深い」メーターがいかにもスポーツカー的。
トランスミッションには5速ATを採用し、メルセデス・ベンツとしてはサーキットを走るというよりは、「爆速ツアラー」としてのキャラクターを与えたであろうことがわかります。
たしかにシートは座り心地が良さそうなコンフォート系(パワーアジャストつき)。
一方でリアシートは「レス(小物入れと物置スペースへと変更されている)」。