| 新型メルセデス・ベンツSLではガルウイングドアの復活を期待したかったが、それもかなわぬ夢となりそうだ |
シャシーは次期メルセデスAMG GTと共通、ルーフにはソソフトトップが復活
さて、メルセデス・ベンツSLはまもなくフルモデルチェンジにて新世代へと移行することになりますが、新型SLは「SLのルーツに立ち返る」「次世代AMG GTとプラットフォームを共有する」と言われています。
これまでにはその内装、そして使用されるプラットフォームが先行公開されており、さらにメルセデス・ベンツは新型SLの発表を控え、過去のエポックメイキングなモデルとともに「SLの65年以上に渡る歴史」を振り返っていて、ここでその変遷を追ってみましょう。
メルセデス・ベンツ300SLクーペ(W198)1954年〜1957年
1952年にレースで活躍した300SLに触発されたメルセデスは、市販車の需要を認識し(北米ディーラーからの強い要望があったという)、その2年後にニューヨークで開催された国際モータースポーツショーにてW198を発表されています。
このSLのトレードマークは「ガルウィングドア」、そして搭載されたM198エンジンは、1953年のレーシングプロトタイプ用に設計されたもので、最高出力215ps(219PS/163kW)を発揮し、161mph(258km/h)の最高速度を記録します。
メルセデス・ベンツ190SL(W121) 1955年~1963年
高級車である300SLの代わりに搭乗したのが、より小型の190SL。
スタイリング、エンジニアリング、完全な独立懸架式サスペンションなどはSL300と同様で、この2シーターロードスターは、W121モデルシリーズに割り当てられ、W121/W120の "ポントン "モデルと密接な関係にあった模様。
改良型の1.9リッター4気筒エンジンを搭載し、最高出力は105ps(107PS/77kW)、0-62mph(0-100km/h)は14.5秒、最高速度は106mph(170km/h)をマークします。
メルセデス・ベンツ 300SL(W198) 1957年〜1963年
ガルウイング世代に代わって登場したのがW198型300SLロードスター。
1957年に発売されたこのモデルは、フレームを改良してサイドシルを下げることにより、従来のクルマと同様の構造をを持つドアを採用。
リアサスペンションが改良され、初めてコンペンセーティングスプリングが採用されたほか、ダンロップ製のディスクブレーキや合金製のエンジンブロックなども装備されています。
メルセデス・ベンツSL(W113) 1963年〜1971年
190 SL(W121)と300 SLロードスター(W198)の後継モデルとして、1963年のジュネーブ・モーターショーで発表された”新型”230 SL(W113)。
凹んだルーフラインが特徴的なこの車は、すぐに「パゴダ」という愛称で呼ばれるようになったと紹介されています。
230 SLのシャシーは改良され、2.3リッター直列6気筒エンジンは最高出力150ps(150PS/110kW)を発揮することになり、1967年に230SLの後継モデルとして登場した250SLは、2.5リッターのエンジンを搭載し、トルクを10%向上させています。
1年後の280SLでは、エンジンを2.8リッターに拡大し、170ps(172PS/125kW)の出力を発揮したそうなので、当時は技術の向上が著い時代だったのでしょうね。
メルセデス・ベンツSL R107 1971年〜1989年
1971年にデビューしたSL350、その後1973年のSL450、1974年のSL280と続き、R107はSLクラスに初めて8気筒エンジンを導入した歴史的なモデルとしてデビュー。
衝突安全性能を重視しており、代わりゆく自動車の規制を「先取りした」モデルであったといいます。
メルセデス・ベンツSL R129 1989年〜2001年
1989年に発表されたR129シリーズは、スタイリッシュなデザインと新しい安全基準を備えたモデルとして知られ、ぼくが「SL」と聞いてイメージするのはこの世代。
1992年に発表された600SL(後のSL600)は12気筒エンジンを搭載し、最高出力394ps(388PS/290kW)を発揮するシリーズのトップモデルすが、その後に何度かフェイスリフトが行われ、エンジンも直列6気筒からV6へと変更されています。
1999年には、当時の技術的限界を超えたとされる525ps(517PS/386kW)を発揮する7.3リッターV12エンジンを搭載したSL 73 AMGがSL 600に代わって登場し、世界を驚かせていますが、いつの時代もSLは「最先端、最高」であったわけですね。
メルセデス・ベンツSL R230 2001年〜2012年
2001年に登場したR230シリーズは、革新的な技術と安全性の向上、クラシックモデルを彷彿とさせる新しいデザインを採用した世代。
このシリーズのトップレンジには476馬力の「SL 55 AMG」、500馬力の「SL 600」、612馬力の「SL 65 AMG」が存在し、2006年からは7速オートマチックトランスミッション「7G-TRONIC」を標準装備しています。
2008年のフェイスリフトでは、「SL 63 AMG」に加え、限定モデルの「SL 65 AMG Black Series」が登場しています。
メルセデス・ベンツSL R231 2012年~2020年
SLクラス誕生60周年を記念した、”最も新しい”メルセデスSLであるR231シリーズは2012年の北アメリカ国際自動車ショーで発表され、SL 500」「SL 63 AMG」「SL 65 AMG」など、先代モデルよりもパワフルなモデルが登場しています。
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