| 昨年、メルセデスAMGペトロナスF1チームはエアロパッケージの問題で大きく苦戦したが |
ミック・シューマッハをリザーブドライバーに迎え、マシンの開発力強化にも期待
アストンマーティンやフェラーリに続き、メルセデスAMGペトロナスF1チームも2023年のチャレンジャー、「W14 Eパフォーマンス」を発表。
先代「W13」はその不吉な数字が示す通り、同チームにとっての「失敗作」となってしまったものの、メルセデスAMGペトロナスF1チームの代表、トト・ヴォルフは「W13で直面した困難がW14 Eパフォーマンスの開発に役立った」といい、「W13は確かに、そのポテンシャルを解き放つことができず、そのダウンフォースを有効に活用できませんでした。しかし私たちのマシンは、シーズン終盤には非常に優れたパフォーマンスを発揮しました。しかし、いくつかのサーキットではまだ問題あり、クルマはドライバーに良いフィードバックを与えることができず、そのためドライバーは本当にプッシュすることができなかった。そこで我々は、W13の良さをすべて残し、弱点を解決するよう努めたのです」と語っています。
メルセデスAMGペトロナスF1チーム「W14 Eパフォーマンス」はこんなマシン
メルセデスAMGペトロナスF1チーム「W14 Eパフォーマンス」を一見して思うのは「黒くなった」ということ。
同チームはルイス・ハミルトンへの(その政治的主張への)配慮として一時期からブラックを使用することが増えたと認識していますが、今回はさらに「ブラック」の面積が拡大しており、これはつまりルイス・ハミルトンのチームにおける支配力をそのまま示したものかもしれません。
ただしこの「ブラック」に見える部分の多くはネイキッドカーボンであり、しかし一部は実際にブラックへとペイントされているようですね。
今年発表されているF1マシンの多くはこういった「カーボンむき出し」という仕様が多く見られ、これは車体重量を(レギュレーション上の制限である)750kg以下に留めるための策であり、つまり「塗料の重さすら」削っているということに。
レースナンバー、ホイールセンター、ウイングレットなどはドライバー専用カラーにマークされ、ルイス・ハミルトンの「44号」はイエロー、ジョージ・ラッセルの「63号」はグリーンが使用されます。※これらカラーが使用される位置は微妙に異なる
もちろんアップデート内容については「極秘」となっており、見た目からはエアロパッケージとサスペンションに変更があることがわかります。
トト・ヴォルフは「私たちの希望と期待は、常に世界選手権を争えることである」と語っており、しかし、「昨年はライバルが非常に強く、我々はキャッチアップしている状態にとどまっていた」とも。
このW14 Eパフォーマンスにおいて、メルセデスによると、よりバランスの取れた車重を実現することに主眼が置かれており、マシンは例年通り年間を通してアップデートされ、ミック・シューマッハがリザーブ兼開発ドライバーとしてマシンの強化を支援することになるのだそう。
メルセデスAMGペトロナスF1チームのドライバーはラインアップはこうなっている
そしてメルセデスAMGペトロナスF1チームのドライバーラインアップとしては昨年と同じくルイス・ハミルトン。
高級腕時計メーカー、IWCがスポンサーの中でも大きく扱われ、もちろん腕時計はIWC(腕時計メーカー”ハミルトン”のアンバサダーを務めていた時期もあった)。
F1史上もっとも成功したドライバーだと言われ、しかし昨年はなんと1勝もできなかった一方、昨シーズンのことを引きずってはおらず、「またレースができることに興奮している。落ち着いているし、活力もあるし、集中力も研ぎ澄まされている。勝つために必要なことをする準備はすべてできている」とコメントしています。
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そして昨年にはキャリア初勝利を挙げたジョージ・ラッセル(ランキング4位でシーズンを終えた)。
「長い冬だったから、W14が期待に応えてくれるかどうか、期待でいっぱいだ。この時点ではいろいろなことが言われているが、あとはマシンがコースに出たときにどのようなパフォーマンスを見せるかを楽しみにしている」と意気込みを見せています。
(画像を見るに)スポンサーに配慮してもっと腕時計を見せる必要があるんじゃないかと思うものの、そこが(公式フォト撮影時に)指摘されなかったのはちょっと意外。
なお、F1チームの運営においてはスポンサーの存在が非常に重要であり、スポンサーに配慮するドライバー(イベントに出たり、ロゴや製品をよく映るように見せたり)もまたスポンサーにとって重用されるそうなので、ドライバーは自身のレースの成績以外にも、様々な方面において気を使う必要が出てきそうですね。
そしてリザーブはハースから移ってきたミック・シューマッハ。
「メルセデスにはいつも親近感を抱いていたから、チームの一員になれてとてもうれしい。W14の開発を助けるために自分の役割がどれだけ重要かもわかっている。この競争の激しい環境で、我々のパフォーマンスに貢献できるよう、全力を尽くう」と意気込みを見せており、有力チームでの経験を今後のステップアップへと生かして欲しいところですね。
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