| EV時代に突入し、自動車メーカーのトッププライオリティは「空力」にシフトしたように思う |
加えて、これまではあまり重視されなかった部分にも注目が行くように
さて、自動車メーカーは様々な特許を出願していて、中には理にかなったもの、いやいやそれはないだろうというものまで多種多様。
もちろん「今は使用しないものの、いつかは使用する可能性がある」「他社に取得されるよりも先に取っておく」等色々な理由があって(一見して荒唐無稽に思える)特許が取得されているのだと思われますが、今回ポルシェから出願されたのは(米国特許番号US 2022/0177057)、実用的ではあるものの、ポルシェとはあまり関係がなさそうな「ヒッチメンバー」。
ただしポルシェが出願するからにはただのヒッチメンバーであるはずはなく、(おそらくは電動にて)格納される可動式ヒッチメンバーです。
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ポルシェから出願されたヒッチメンバーはこんな仕様を持っている
そこでポルシェから出願されたヒッチメンバーを見てみたいと思いますが、通常時は一番上の画像のようにヒッチレシーバーが露出しておりトレーラーやキャンピングカーを接続できるものの、使用しないときにはこのレシーバーが横を向いてリヤバンパー内に格納され、さらにはカバーにて覆われて完全にフラットになるようですね。
なぜ格納式ヒッチメンバーが必要に?
そこで気になるのが「なぜヒッチメンバーを格納する必要があるのか」。
フロントではなくリアに付いており、危険性や美観上の問題も無さそうなので「出しっぱなし」でいいんじゃないかとは思うのですが、ポルシェだけに「空力上の理由」にて格納するのだと思われ、つまり「ヒッチメンバーを出しっぱなしだと空気抵抗になるから」ということなのだと思われます。
それでもやはり車体後部なのでさほど影響はないんじゃないかと思ったりするものの、EVにとってこういった「空気の流れを阻害するもの」はなんとしても隠したいのかもしれません。
実際のところ、これまでのガソリン車ではほぼ見られなかった「エアロディスク」形状のホイールもEVとともに登場しており、デジタルミラーも空気抵抗を削減できるデバイスとして注目され、実際にドアミラーをなくすとEVの航続可能距離が3%くらい伸びるとう研究結果もあるようです(ちょっと信じがたいが)。※ただ、デジタルミラーは法的に認可されている国が少ないのでなかなか普及しない
とにかくEVに関し、エンジニアは「いかに航続距離を伸ばすか」ということに腐心しているわけですが、ポルシェは「たとえ、ヒッチメンバーを格納する機構やモーターをリヤオーバーハングに追加し」重量が増したとしても空気抵抗を削減したいと考えており、「空気抵抗>重量」という判断を(現時点で)下しているということになりそうですね。
なお、ポルシェは今後マカンEVはじめいくつかのEVを発売することになるかと思いますが、この格納式ヒッチメンバーはマカンEVのようなSUV、そしてタイカンにもレトロフィットにて装着することを考えているのかもしれません。
いずれにせよ、EVを実際に発売するようになってからというもの、各社とも航続距離を伸ばすために、これまでに投じなかったようなところにコストをかけるようになっていて、これは昨今の自動車業界における大きな変化だと捉えています。
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参照:CarBuzz