| テスラは目標値の「180万台」をクリア、しかし2024年の成長率が鈍化することを認める |
BYDはおそらくそれ以上のペースで成長することになるだろう
さて、テスラそしてBYDが2023年のEV販売速報値を公開し、テスラは1,808,581台、BYDは1,574,822台であった、とのこと。
つまりEV販売においてBYDはテスラを超えることが出来ず、そしてテスラは目標値であった180万台をクリアしたということになりますが、2023年第4四半期のみに絞ってみるとテスラは484,507台、そしてBYDは526,409台。
さらに「通年の成長率」を見てみると、テスラは38%増(2022年の販売台数は1,313,900台)であるのに対しBYDは72.8%増となっており、BYDの成長が著しいこと、そして2024年はテスラにとって厳しい年になるであろうことが想定されます。
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テスラの最大の売れ筋は「モデルY」
テスラの発表によると、2023年に納車した1,808,581台のうち1,739,707台はモデル3とYで、モデルS、モデルX、サイバートラックとセミ(トラック)の合計はわずか68,874台。
In Q4, we produced approximately 495k vehicles & delivered over 484k vehicles.
— Tesla (@Tesla) January 2, 2024
Full year 2023
Deliveries: 1.81 million (+38% YoY)
Production: 1.85 million (+ 35% YoY)
Our Q4 Earnings Call will be streamed live on X on January 24 at 4:30pm CT
→ https://t.co/vWPOkQVGmV
なお、テスラは2024年の販売目標を220万台に定めており、これは2023年比だと22%増加にとどまるため「成長率が鈍化」することになるものの、2023年第3四半期決算発表時には「非常に急速に、地球上のどの自動車会社よりもはるかに速く成長する」とコメントしています。
実際のところテスラはいくつかの地域で工場建設を進めており(しかしこれらが2024年の販売に寄与することはないものと思われる)、そして現在最大規模の生産能力を誇る上海工場の改装を(生産能力向上のために)行うとも報じられているので、今後も成長基調にあるのは間違いなさそう。
ただしBYDはそれ以上の速度で成長する可能性があり、というのもBYDにとっては北米市場など未開拓のマーケットがあり、「進出」がたびたび話題となる欧州においてもまだまだ伸びしろがあるため。
もちろんテスラにも(インドなど)ほぼ未開拓の市場は残っているものの、おそらくはBYDの世界進出の速度のほうが早いものと推測でき、よって2024年通年では「テスラはその優位性を失ってしまう」ことになるのかもしれません。
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参照:Tesla(X)