| そこには以外なフォルクスワーゲンの歴史が絡んでいた |
フォルクスワーゲンのオランダ法人が「ポロ・ハーレクイン」なるワンオフ車両を発表。
なにやらクレイジーカラーを身にまとったクルマに見えますが、なんでもこの「ポロ・ハーレクイン」は25年前、当時のポロをベースに「技術や快適さ、安全性がいかに進歩したか」を示すために作られたクルマだそうで、つまり今回の新しいポロ・ハーレクインはそのリバイバルということになりそうです。
当時は実際に販売されていた
なお、驚かされるのは、当時このポロ・ハーレクインは実際に3,806台が販売されたということ(それだけに、新しいポロ・ハーレクインが販売されないのは残念でもある)。
そして今回のポロ・ハーレクインについて、ボディカラーはオリジナルのポロ・ハーレクインと全く同じく「シャガールブルー」「ジンスターイエロー」「ピスタチオグリーン」「トルネードレッド」の4色にペイントされています。
ちなみにこの「クレイジーカラー」を使用したプロモーションは、初代のポロ・ハーレクインよりも前にも行われたことがあるそうで、1964年にビートルのパーツが「簡単に交換でき、修理が容易」ということを示すために「各パーツバラバラのカラー」で構成されたビートルにまでそのルーツを遡ることができるようです。
ポロ・ハーレクインの誕生には意外な背景があった
時計の針がちょっと進み、フォルクスワーゲンは1994年に「4つのブロック」に分けた戦略を採用することになって、その4つとは「ドライブ、装備、オプション、カラー」。
その際にフォルクスワーゲンは「ドライブ=ブルー、装備=イエロー、オプション=レッド、カラー=グリーン」といった具合にイメージカラーを定めたそうですが、これを対外的に、かつ視覚的に示すために20台のみ「クレイジーカラーの」ポロを製造してプロモーションを行うことになるものの、もちろんこの際に参考とされたのは1964年にビートルのプロモーションにて採用された”つぎはぎ”カラー。
実際にクレイジーカラーのポロを使用したプロモーションが開始されるや、このポロを見た人々から「実際にこのクルマを販売してほしい」という声があがることとなり、それを実際に市販化したのが「(当時の)ポロ・ハーレクイン」なのだそう。
そう考えるとこのポロ・ハーレクインはフォルクスワーゲンの歴史そのものを表しているとも言えそうですね。
なお、今回のポロ・ハーレクインを作るにあたり、フォルクスワーゲンは「ブルー、イエロー、レッド、グリーン」のポロを一台づつ製造し、その後にパネルを外して当時のポロ・ハーレクインと同じ構成を持つ個体を作ったそうですが、もしかすると「配色の異なる」クレージーカラーのポロがあと3台ほど存在するのかもしれません。
参考までに、当時も同様の製造方法を採用していたようで、ポロ・ハーレクインのカラーリング、つまり「どの部分にどの色を使用するか」を指定することはできず、どういったカラーリングを持つのかは「納車されてのお楽しみ」であったとのこと。※当時、HELLAがブルーやグリーンなどのカラーレンズを使用したテールランプ等灯火類を発売していたが、今思うと、このポロ・ハーレクインに影響を受けたのかもしれない
今回のポロ・ハーレクインについて、上述の通り「生産予定のない」ワンオフではありますが、初代ポロ・ハーレクインのように、市販化要望の声が高まれば、フォルクスワーゲンはその声に応じてくれるかもしれませんね。
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