このまま復刻したらかなり人気が出そうだ
京都は二条城にて開催された「コンコルソ・デレガンツァ2019京都」。
今回は1950年代のフィアットたちを画像と動画にて紹介したいと思いますが、正直この時代のクルマそしてザガートはぼくにとって未知の領域。
ただ、こうやってザガートのクルマを見ていると「ダブルバブル」のほか、「流線型」「丸型ランプ」「広いグラスエリア」といったザガート特有の共通項を見つけることができ、様々な発見があったと思います。
FIAT 750 MM Zagato(1951)
このクルマ、ならびにベースモデルについては情報が不足しており、詳細は不明。
なお、「センターのドライビングランプ」は今回展示されているクルマのいくつかに見られた特徴です。
ちなみにフロントウインドウは「スプリット」ですが、これは平面だと空気抵抗が大きすぎ、かといって当時はカーブグラスを作ることが難しかったのかもしれず、その「解決策」なのかもしれませんね。
フィアット・バルケッタにも採用されていたドアハンドル。
こんな昔からすでに存在したことに驚かされ、バルケッタのあのドアハンドルはこの「復刻」ということになるのかも。
FIAT 750 MM Berlinetta Zagato(1952)
こちらはなんとボディカラーがツートン、しかもサイドが「Z(もちろんZagatoの”Z”だと思われる)。
なんともなめらかなリアセクション。
FIAT 750 GT MM Derivata Zagato(1953)
こちらもセンターにドライビングランプを装備した一台。
ルームミラーについては「ダッシュボード取り付け」の車両、そしてこの750GT MM Derivata Zagatoのようにルーフ取り付け型があるようです。
ホイールの外周がボディカラー同色のレッドに、そしてインテリアもボディカラーにマッチしたカラーを持つオシャレな一台。
Moretti 750 Zagato(1954)
この「モレッティ(Moretti)」はイタリアの自動車メーカーで、バイクの製造に始まり、のちにフィアットのクルマを改造したカスタムメーカーに。
この「モレッティ750」も名称からわかるとおり「フィアット750」の派生ということになりそうですが、さらにそれをザガートがカスタムしたということに(時代背景を考えると、モレッティがシャシー、ザガートがボディといった具合に同時に分担しカスタムしたと捉えるのが妥当?)。
この車両は大変に有名なクルマだそうで、ザガート創業者であるウーゴ・ザガート氏の息子、エリオ氏が直々にカスタム手がけたということや、1954年のミッレミリアに参加した車両であるという記載が見られます。
FIAT Abarth 750GT Zagato(1957)
こちらは「フィアット」「アバルト」「ザガート」のトリプルネーム。
ベースは1955年発売の「フィアット600」で、アバルト創始者のカルロ・アバルトがザガートともにカスタムしたもの。※アバルトの公式サイトに紹介がある
ダブルバブルルーフに加え、リアフードの「ダブルバブル」というデザイン的にも見どころが多い一台ですね。
アバルトによると、全長3480ミリ、全幅1340ミリ、全高1190ミリ。
重量はわずか535キロ、出力は47馬力、トランスミッションは4速マニュアル、とのこと。
なお、エンジンは「FIAT 600」の600ccから、747cc(これが750の名称の由来)へと排気量アップされているそうです。
FIAT Abarth 750 Record Monza Zagato(1959)
こちらもアバルトのサイトに記載があるフィアット・アバルト750レコードモンツァ・ザガート。
レコードモンツァというと「あの素晴らしいサウンドを奏でるエキゾーストシステム」を連想しますが、アバルトによればその名称はこのクルマから取られたそうです。
そしてこのクルマは「速度記録」チャレンジのために作られたそうで、ベースはやはりフィアット600。
ボディパネルはアルミ製、そして重量はこれによって540kgに抑えられ、エンジンは57馬力にまでパワーアップ。
なお「747cc」という排気量は、当時のGTカテゴリーのクラス分け(小排気量)が「750/850/1000cc」という分類となっており、その区分に従った結果のようですね。
リアセクションにはその後のザガートにつながるデザインも見られ、美しいスタイリングを誇る一台だと思います。
なお、ピラーに装着されるのは「モンツァでの速度記録(レコード)を達成した」ことを記念するバッジ。
これが「レコード・モンツァ」の名が与えられた起源と記されています。
FIAT Abarth 750 GT Zagato(1959)
こちらはレッドの個体と色違い、ホワイトのフィアット・アバルト750GTザガート。
内装はレッドを採用していますが、内外装のカラーが違うとかなりイメージが変わると思います。
それは当然といえば当然ではあるものの、しかしボディ面積が大きく、構成するパーツが少ないせいか、現代のクルマに比較するとクラシックカーの場合は「ボディカラーの差異が、その印象に与える影響が大きい」のかもしれません。
そしてリアフードもやはりダブルバブル。
他の画像はFacebookのアルバム「 Concorso d'Eleganza Alfaromeo / FIAT」に保存しています。