| フェラーリベースのカスタムカーが3億2300万円で販売中 |
ガムボール3000に参加し、「あのクルマは何?」と話題になった「E.C.オンリーワン(Only One)P8」が中古市場に登場。
これはイタリアのコーチビルダー「Inea Cassoni」がフェラーリF430をベースに制作したクルマですが、その販売価格はなんと3億2300万円。
3億2300万円というと、もうちょっと出せばブガッティ・シロンを購入でき(審査があるのでそれに通らなければなりませんが)、中古市場におけるプレミア付きのラ・フェラーリや、もしかするとマクラーレンP1とポルシェ918スパイダーをまとめて買えるほどの価格です。
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何がこのクルマをそこまで高くしているのか?
そこで当然思うはずですよね。
なんでこのクルマはそんなに高いのか、と。
このE.C.OnlyOne P8のベースはフェラーリF430だとされ(360モデナ説もある)、F430ベースであれば4.3リッターV8、360ベースであれば3.6リッターV8をベースに使用することになり、出力は600馬力へと引き上げられ、逆に重量は1200キロまでダイエットしたというクルマ(パワーウエイトレシオは”2”になる)。
この会社「Inea Cassoni」はレーシングドライバー、イネア・カッソーニ氏が設立したもので、現在はカスタムカーの作成などのビジネスを展開中。
Only One P8については年間に5台までの生産キャパシティがあるとされますが、おそらく製造されたのはこの一台のみ(たぶん、Inea Cassoniが自社のプロモーションのために作成したもの)。
ボディはアルミとカーボンファイバーで構成され、全長4570ミリ、全幅2030ミリ、全高1100ミリという「広く低い」プロポーションですが、このサイズについては、「幅はランボルギーニ・アヴェンタドールとほぼ同じで、高さは6センチも低い」というもの。※フェラーリ360モデナのボディサイズは全長4477ミリ、全幅1922ミリ、全高1212ミリ
そのドアの開き方(ガルウイング)や前後カウルの開き方(フェラーリ512BBみたいにカウルがまるごとガバっと開く)から見るに、ベースはフェラーリ360/F430と言えどもモノコックはほとんどを作り変えていると思われ、その分の手間はかなりかかっていそう。
ランプやホイールにもフェラーリとの物理的共通性はなく、これらもオンリーワンP8のために新設計/新造したと考えられます。
なおサイドウインドウはこんな感じで、開閉は「小窓がスライドするだけ」。
それでも快適性には最大限の配慮を行っており、フロントには段差越え時にボタン一つで6センチほど車高を上げることができるリフティングシステム、後方確認としてはバックカメラ、そしてエアコンやプッシュ式エンジンスタートボタンも装備している、とのこと。
インテリアもその多くがカーボンファイバーとアルミニウムで構成されることになり、シフトゲートとシフトレバー以外はフェラーリの面影ナシ。
スイッチ類についてもパネルが新設されていて、メーターも新しくセンターに置き換え。
これを見るに「このクルマのほとんどを手作業で作った」とも考えられるため、そのコストが今回の販売価格に反映されている、と考えて良いのかもしれません。
VIA:James Edition