| フェラーリほど世間のイメージと現実とが乖離しているブランドもないだろう |
さて、これまでになんどか紹介した「GQ」の連載企画、「29歳、フェラーリを買う」シリーズ。
今回は「新車でフェラーリを買う」ということについて触れています。
「新車でフェラーリを買う」ことを考えるきっかけとなったのは、中古にて購入したフェラーリ360モデナの車検に「98万円も」要したため。
そこで、車検を依頼したフェラーリ横浜サービスセンターに「どうすれば車検費用が安く収まるのか」と訪ねたところ、返ってきたのが「新車のフェラーリを購入すれば車検費用は安くなる」。
そんなこと言っても新車のフェラーリなんて買えねえよという声が聞こえてきそうですが、ぼくはかねてより「最も安く購入でき、もっとも安く維持できるスーパーカーはフェラーリである」と主張しており、やはり今回のGQでも同様の主張がなされています。
ここで、「いったいそれはどういうことなのか」を見てみましょう。
フェラーリはローンで買うとそんなに高くない
フェラーリは、知っての通り非常に高いリセールバリューを持っています。
つまり「売るときに高い」ということですが、購入時に「残価設定ローン」を組めば、”スーパーカーの中でもっとも高い”残価のおかげで、実際に毎月支払う金額をかなり低く抑えられるわけですね。
ざっと残価のイメージだと、フェラーリが(3年経過で)75%、ランボルギーニが65%、ポルシェが50%という感じ。
わかりやすくいうと、1000万円のフェラーリ(実際にはこの価格のフェラーリは存在しないが、計算をわかりやすくするため)を3年の残価設定ローンで買えば、1000万円から750万円(75%の残価)を差し引いた250万円でローンを組めばよく、ランボルギーニだと350万円、ポルシェだと500万円をローンにて支払う必要が出てきます。
そして支払期間は3年なので、フェラーリだと「250万円割る36ヶ月」なので月69,444円、ランボルギーニだと97,222円、ポルシェだと138,888円。
正確に言うならば金利がここにはいるので「この数字のまま」ではありませんが、イメージとしてはこんな感じで、これが、ぼくが「フェラーリがもっとも安く買えるスーパーカーだ」と断じる理由なのですね。
こういった数字を見ても「なんか落とし穴があるんじゃないの?」という人も多そうですが、正直なとこと「落とし穴はない」。
3年経過後に残価分を支払う必要があるものの、3年後にフェラーリの価格が75%以下になることはまず皆無なので、追い金も発生しないと認識しておいて良いかと思います。※記事では、ポルトフィーノの新車価格が2576万円なのに対し、中古車の平均価格が3138万円であることにも触れている
なお、マクラーレンは「月々の支払額を自由に決めることができる」ローン(自由設定型自動車ローン)を導入しており、アウディにおいては「残価設定額での買取を保証」。
現在は、いまだかつてないほどスーパーカーを買いやすい時代に突入したと言って良さそうです。
フェラーリの維持は高くない
そしてフェラーリは「もっとも安く買えるスーパーカー」であると同時に「もっとも安く維持できるスーパーカー」。
これはいったいどういったことなのか?
世間一般の認識だと、フェラーリは壊れやすく、常に財布に現金が100万円くらい入ってないと怖くて乗れないというものがあると思いますが、現在フェラーリは「7年間のメンテナンスプログラム」が無償にてついてきます。
つまり毎年の点検や車検、フェラーリの定める(エンジンオイルやブレーキフルードなど)消耗品の交換が「タダ」ということですね。
ただ、税金や、メンテナンスプログラムに含まれない消耗品は「自腹」ですが、これを活用すると、新車でフェラーリを購入した場合の「車検一回目」は15万円程度で済む、とのこと。
反面、ランボルギーニやポルシェはこういった「サービスプログラム」が付帯されておらず(有償にて加入しなくてはならない)、ぼくのウラカンにかかった車検費用は418,000円となっています。
ちなみにポルシェ718ケイマンにフェラーリとほぼ同じ内容のメンテナンスパッケージ「 ポルシェスケジュールドメンテナンス」をつけると、これは5年しかカバー出来ないのに523,800円 という価格設定です。
こういった例を見ても、「フェラーリは維持にお金がかからない」ということがわかりますね。
なお、なぜフェラーリはタダでメンテナンスを受けるのかということですが、これは「フェラーリの価値を維持したい」ためだとぼくは考えています。
こういったメンテナンスプログラムを用意していないと、そのコストの高さから「買ったはいいけどメンテナンスしない」人が出てきて、そうなると中古市場に出てきたフェラーリが「壊れていたり」「壊れやすかったり」「修理にお金がかかる」ことになり、都市伝説のような「フェラーリは壊れる」「フェラーリは一定の修理費用を覚悟せねばならない」といった認識を世間に植え付ける可能性も。
そうなると中古フェラーリが敬遠される→相場が下がることになって、中古フェラーリの価格が下がると新車を高いプライシングで販売することが難しくなり、よってフェラーリは「先行投資」として自社製品の価値を維持するためにこういったメンテナンスプログラムを用意しているのでは、ということですね。
フェラーリオーナーの中心は「年収2000万円台」
そして記事にて興味を惹かれたのが、フェラーリオーナーの世帯年収は「2000~5000万円」がボリュームゾーンであり、一番多いのは2000万円台、とのこと。
もうちょっと高い年収の人々が購入しているといったイメージもありますが、つまり多くのフェラーリオーナーが年収以上の金額にてフェラーリを購入している、ということに。
これもやはり、フェラーリが「最も安く買えて、もっとも維持費用も安い」ということを表しているのかもしれません。
VIA:GQ