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エンツォ・フェラーリの「工場は、人、機械、建物でできている。フェラーリは、なによりも人でできている」の精神はいまだ健在。フェラーリがホワイト企業に認定

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| 創業当時のフェラーリはとにかく人材の確保に苦労しており、エンツォ・フェラーリは自ら職業訓練校を作ったほど |

エンツォ・フェラーリは人に厳しかったのか優しかったのか判断がつきかねる

さて、フェラーリが「ランスタッド雇用主ブランド調査によって、”フェラーリはイタリアの好ましい雇用主”として認められた」とアナウンス。

これはいわゆる「ホワイト企業認定」がなされたということになりますが、「詳細な世界規模の調査、雇用主のブランディングに関する研究、潜在的な従業員に対する企業の魅力の評価調査」によって総合的な評価がなされ、その結果としてフェラーリは従業員の間で71.32%の支持を得ていること、財務の安定性、評判、長期的な雇用保障などの重要な分野で最高のパフォーマンスを発揮したこと」等により”雇用主ブランド2024”を受賞しています。

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「雇用主ブランド調査」はこうやって行われる

ランスタッドが実施した調査では、18歳から64歳までのイタリアの約7,000人の労働者へのインタビューが行われ、150人の潜在的な雇用主の認識される魅力を評価(これがどういったものなのかは理解が及ばない)することとなったそうですが、この調査は独立した調査を通じて世界32か国で同時に実施され、合計173,000 人の回答者と6,000社以上の企業が対象となっています。

今回の結果を受け、フェラーリの最高人事責任者のミケーレ・アントニアッツィ氏が出したコメントは以下の通り。

フェラーリがイタリアの労働者にとっての第一の選択肢であることを確認し、この賞を受賞できてうれしく思います。 これは、当社が従業員に対して継続的に献身的に取り組んでいること、そして従業員の願望と期待を深く理解していることの証です。私たちは、給与の面だけでなく、すべての従業員が能力のみに基づいて専門能力開発の平等な機会を確保できるようにすることで、多様性と男女平等を今後も重視していきます。 ランスタッドの評価により、私たちはすべての人にとって包括的でやりがいのある労働環境を作り出す努力を続けることになります。

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フェラーリはもともと従業員を大事にしてきた会社である

なお、フェラーリはもともと(工場で働く)従業員を大事にしてきたことでも知られ、それは創業初期に人材の確保に苦労したことに起因しているのかもしれません(アルファロメオほか、ライバルとの人材引き抜き合戦に腐心した時期がある。ちなみにエンツォ・フェラーリ自身はエンジニアではなくエンジンや車体、ボディの設計はできない)。

実際のところ、エンツォ・フェラーリは多額の資金を投じて職業訓練校を開設しエンジニアを育成することに注力しており、当時はエンジニアの家族構成やイベント、健康状態まで把握していたと言われます(さらにはファクトリードライバーよりも工場で働く従業員を大切にしていたという証言もある。つまりいいドライバーよりも優れた設計者や作業員を確保するほうが困難であると考えていたのだと推測できる)。

参考までに、エンツォ・フェラーリの信条は「良いエンジンさえあれば、強力で速いレーシングカーができる」というもので、そのためブレーキやサスペンション、車体重量、エアロダイナミクスの有用性に気づくまでにはかなりの時間と犠牲を払ったとされますが、ライバルに遅れること数年、ようやく車両全体のバランスを重視するようになった頃にはいっそうエンジニアや工員を大切にするようになり、実際にエンツォ・フェラーリは「工場は、人、機械、建物でできている。フェラーリは、なによりも、人でできている」という言葉を残しています。

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一方、宮廷の反逆での一件のように残忍な一面を持つのもまたエンツォ・フェラーリの特質であり、ニキ・ラウダがクラッシュし大やけどを負った直後に別のドライバーとの契約を進めるなど、勝利のためには一切の感情を捨てるなど冷徹な一面もあるもよう。

ただし「関わった人々については、なんだかんだでずっと面倒を見る」という傾向もあったそうで(実際に”出戻り”についても寛容である)、非常に複雑な人物でもあったようですね。

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参照:Ferrari

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