| 中古フェラーリであれば、まだ「保証」「メンテナンスサービス」が残っている高年式モデルを購入すべきである |
ただしそういった高年式フェラーリは往々にして新車価格よりも高価であるが
さて、かつてのフェラーリCEO、ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏はメディアから「安価なエントリーモデルとしてのフェラーリを作らないのですか」と聞かれた際、「なぜその必要があるのでしょう?市場には多数の中古フェラーリが出回っており、中古フェラーリこそがエントリーモデルなのです」と明言していますが、素人にとって「(安価な)中古フェラーリはちょっと怖い」のもまた事実。
そして今回「安い中古フェラーリを購入するとどうなるのか」という動画がYouTubeへと公開され注目を集めることに。
格安な中古フェラーリを購入するとこういった困難が待ち受ける
今回この中古フェラーリ(ディーノ308 GT4)を購入したのはYouTubeチャンネル「Edd China」でおなじみのジョンとエッド。
過去の動画では、二人がヴィンテージ・レンジローバーやクラシック・フォルクスワーゲン・バンの修復に挑戦してきましたが、果たして古いフェラーリにはどれほどの作業が必要なのかについてこの2人が語っています。
実際のところ作業ボリュームはまさに「膨大」で、このヴィンテージ・フェラーリに関する問題は数えきれないほどありますが、主に部品や構造に関するさまざまな問題については合計26項目。
なお、このディーノ308 GT4はこれまでのオーナー所有時に火災に遭遇したことがあるそうで、(一応修理されているものの)その影響が今なお色濃く残るほか、10年ほども放置されていたために「塗装の状態が悪い」「ドアの一つが開かない、パワーウインドウに問題がある「、さらには「ワイパーにも問題がある」ことが確認されています。
エンジンルームでは、タイミングベルトの交換が必要、ウォーターポンプが固着している、サーモスタットの交換が必要、オイルが汚染されているなどの状況が報告され、さらにエアコンのコンプレッサーがなく、キャブレターのガスケットが必要、ラジエーターホースから冷却液が漏れており、オイルクーラーにも漏れが見られるもよう。
それだけではなく、車体を持ち上げると、ブレーキキャリパーに腐食が見られ、ブレーキパッドが固着し、ブレーキディスクにはピッティング(凹み)があり、スタビライザーリンクにもガタつきがあることがわかりますが、加えてさまざまなパイプに腐食が進み、ボディの一部にも錆が発生し、トランクにも問題があるなど「問題のリストは本当に尽きることがない」状態。
これが「価値のある」250GTOなどの貴重なフェラーリであれば、幾多のオーナーのてを経たとしても丁寧にメンテナンスされ最高の状態を保っているのだと思われるものの、「そうでない」フェラーリの場合は修理コストが車両の価値を超えてしまう場合があり、結果としてこうやって「放置」される場合が増えてしまうわけですね。
よって、もし「格安フェラーリを購入し」修復に挑戦しようと考えているなら、この動画は「車両を購入する前に本当に詳しくチェックするべき」という警告になり、たとえ安価であっても、代金を支払う前にしっかりと確認することが大切です。
ちなみに今回のディーノ308 GT4で報告されている問題は以下の通り。
中古フェラーリにはこれだけ問題がある
- 塗装は「一部が劣化」
- ドアの一つは内側から開かない
- パワーウインドウに問題あり
- タイミングベルトの交換が必要
- ウォーターポンプが固着
- サーモスタットの交換が必要
- オイルの量は適正だが汚染されている
- エアコンコンプレッサーが取り外されている
- テールライトが破損
- ワイパーが故障
- トランクに問題あり
- キャブレターのガスケットが必要
- ラジエーターホースが漏れている
- フロントブレーキホースに問題あり
- ブレーキディスクにピッティング(凹み)がある
- ブレーキパッドが固着している
- ブレーキキャリパーが劣化している
- ステアリングラックのシールが損傷
- サスペンションブッシュが劣化している
- スタビライザーリンクにガタつきがある
- アンダートレイが損傷
- パイプが腐食している
- ボディに錆がある
- オイルクーラーに漏れがある
- 燃料ラインが腐食している
- 燃料ドレインが固着している
「格安」フェラーリの購入に対して警鐘を鳴らす動画はこちら
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参照:Edd China(Youtube)