
| フェラーリは「エレットリカ」の後に第二のEVを投入すると言われていたが |
やはりフェラーリであっても現在の「EV敬遠」風潮には抗うことが難しい?
さて、フェラーリが「地獄が凍る日」とまで形容された完全EV(電気自動車)モデルの開発を発表してから3年。
その初のEVモデルがいよいよ2025年10月9日、フェラーリの「キャピタル・マーケッツ・デイ」にて一部公開されることがわかっていますが、ここでの情報は「ごく一部」、そして残りの情報はあと2回に分けてリリースされると言われています。※10月に明かされるのは「技術的な中核部分」のみ、続いて2026年初頭には「インテリアデザインのコンセプト」が披露され、同年後半には正式なワールドプレミアが予定されている
-
-
【いったいなぜ?】フェラーリ初のEV「エレットリカ(Elettrica)」の公開は3段階に分割へ|フル公開は2026年春に延期
| フェラーリ初の電気自動車、ついにそのベールを脱ぐ?しかし、全貌はしばらく先に| フェラーリの新型SUVの全容がわかるまでにはもう少し待たねばならない さて、フェラーリが2025年10月9日に開催予 ...
続きを見る
噂される「第2のEV」は存在しない?
2025年6月、ロイターはフェラーリの2台目となるEVが「需要ゼロ」を理由に2度延期されたと報道。
しかし第2四半期決算説明会にてCEOベネデット・ヴィーニャ氏はこの噂を否定したばかりか「2台目・3台目のEVについて、我々は何も発表していない」とコメントし、公式にはそのようなプロジェクト自体が存在していないことを強調しています。
-
-
フェラーリ、第2の電気自動車の発表を延期へ|高級EV分野での需要減退の兆しが理由
| すでに「EV第一弾」の発表も半年ほど後ろ倒しとなっているが | なぜフェラーリはEV第2弾を延期するのか? さて、フェラーリは今年10月から来年春にかけて「3段階」に分けて初のEVを発表してゆく予 ...
続きを見る
フェラーリEV第1弾は順調に開発中
一方、「初のEV」に関してベネデット・ヴィーニャCEOは「遅れは一切ない」と述べ、最近プロトタイプをサーキットで試乗したとも発言。
「この新しいEVの登場が非常に楽しみだ」と語り、開発チームに対する自信をのぞかせています。
しかしながらこの「最初のEV」、エレットリカについては多くが語られておらず、しかし現在までのところ、マセラティ・レヴァンテのボディを使ったテスト車両が目撃されていることから、このEVがSUVというよりはグランドツアラー寄りの車両である可能性が示唆されており、価格については未発表ながら、報道によると50万ドル(約7,800万円)を超えるとの予測も。
加えてかつ生産台数は限定的で、年間数百台程度にとどまると見られています。
フェラーリのEV戦略とV12の将来
フェラーリは2030年までに全販売台数の40%をEV、40%をハイブリッド、残る20%を内燃機関(ICE)モデルにするという目標を掲げていますが、特に注目すべきはフェラーリが今後もV12エンジンを存続させると宣言している点。
実際のところプロサングエや12チリンドリには自然吸気V12が継続して搭載されており、近いうちに登場がウワサされる新しいイコーナシリーズの限定車にもV12エンジンが採用される可能性も報じられ、フェラーリは「EV」に加えて内燃機関にも注力していること、そして様々な状況に対応できる準備を整えていることがわかります。
競合ブランドのEVに対する動向は?
なお、現在多くのラグジュアリーカーブランド、ハイパーフォーマンスカーブランドがEVに関する計画を「先送り」あるいは「中止」していますが、この中にはランボルギーニ、マセラティ、ポルシェなどが含まれており、フェラーリの直接のライバルともいえるランボルギーニはEVモデル「ランツァドール」の発売を2029年に延期。
さらには延期するだけではなくPHEV(プラグインハイブリッド)へとパワートレーンを変更する可能性が示唆されています。
-
-
ランボルギーニは「初のEV」、ランザドールの発売を1年後ろ倒しとして2029年へ。その理由は「市場がまだ成熟しておらず、消費者の理解が得られないであろう」ため
| しかしながら、この1-2年で大きく事情が変わる可能性があり、逆に「前倒し」となる可能性も | いずれにせよ、技術的には「問題なく」計画に従い発売できる段階にあるようだ さて、ランボルギーニが「初の ...
続きを見る
さらにはケーニグセグやパガーニは顧客の電動化への関心が低いことを理由にEV投入に消極的な姿勢を見せており、ブガッティ・リマックのCEOも「富裕層はもはやEVハイパーカーを求めていない」と発言しているのが印象深いところです。※実際、記録的な性能を持つネヴェーラの販売は伸び悩んでいる
-
-
パガーニがエレクトリックスーパーカー計画を中止した理由とは?「つまるところ、誰ひとりEVを欲しがらなかったのです」
Image:Pagani | なぜパガーニは「電動スーパーカー」を作らずV12エンジンにこだわるのか | パガーニは常に「顧客の意見を大事にする」ハイパーカーメーカーである さて、先日はケーニグセグ創 ...
続きを見る
そのため、フェラーリがEVに対して「控えめ」なアプローチをとるのは戦略的にも賢明といえるかもしれず、これこそが「フェラーリのブランドを守る」ために必要なことなのかもしれません。
合わせて読みたい、フェラーリ関連投稿
-
-
フェラーリ、シャオミの高性能EV「SU7 ウルトラ」を極秘購入?本社を出入りする姿が目撃され自社初のEVとの比較実施か
Image::Weibo@劈你落山 | さすがにシャオミSU7 ウルトラの存在はフェラーリであっても無視できない? | フェラーリ、シャオミ SU7 ウルトラをテスト車両として購入か さて、ヒョンデの ...
続きを見る
-
-
フェラーリCEOが語る”魂のある電気自動車”とは?「我々のEVはコレクターをも納得させることができる」
| 実際のところ、「フェラーリ初のEV」としての歴史的価値は高い | 短期的には価値が認識されないかもしれないが、長期的には「フェラーリの歴史の転換点」として価値を発揮するものと考えられる さて、ラン ...
続きを見る
-
-
フェラーリ初のEV「エレットリカ(Elettrica)」、中国市場での切り札に?
| フェラーリ・エレットリカは「中国市場にマッチした」条件を持っており、最大のターゲットは中国なのかも | フェラーリが中国でエレットリカを大量に販売したとしても、それがブランドイメージや中古市場に与 ...
続きを見る