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フェラーリ、第2の電気自動車の発表を延期へ|高級EV分野での需要減退の兆しが理由

フェラーリ、第2の電気自動車の発表を延期へ|高級EV分野での需要減退の兆しが理由

| すでに「EV第一弾」の発表も半年ほど後ろ倒しとなっているが |

なぜフェラーリはEV第2弾を延期するのか?

さて、フェラーリは今年10月から来年春にかけて「3段階」に分けて初のEVを発表してゆく予定ですが、今回それに続く「第二のEV」の発表と発売を延期することが明らかに。

これはロイターが報じたもので、本来は2026年末までに市場投入を行うとしていたものの、新しい計画では2028年以降」へと後ろ倒しとなり、その理由は以下の通り。

■ 主な延期理由:

  • 高性能EVに対する市場需要の低迷
  • 従来のエンジンサウンドの欠如が顧客離れを招いている
  • EVバッテリーの重さがスーパーカーに求められるパフォーマンスと相性が悪い

富裕層の多くは、エンジンの咆哮やドライビングフィールにこだわりを持っており、EVではその“体験”が失われるため、購買意欲に繋がっていないというのが現実です(これはリマック・ネヴェーラを見ても明らかである)。

そして重要なのは、今回の決定が「現在の技術では、そういった顧客の意識を”覆すような”EVを作ることができない」という裏付けでもあるということで、ここが今の段階での”EVの限界”なのでしょうね。

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フェラーリのEV戦略のこれまでと今後

フェラーリはすでに2019年からハイブリッド車を販売しており、今年10月には初の完全EVモデルの(第1段階の)発表を予定しており、その後2026年10月にはこの納車がはじまる見込み。

しかし、2台目のEVに関してはこれまでに2度の延期があり、今では市場投入時期が完全に不透明に。

内部関係者によれば、2台目EVはフェラーリのEV戦略を本格化させる鍵となる“量産型”として構想されていたとのことで(内部情報ではプロサングエの小型版だと言われていた)、フェラーリの戦略がここで大きく変わって来る可能性もありそうです(フェラーリの株価は昨日、0.89%下がっている)。

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他社も足踏み:高級EVの苦戦はフェラーリだけではない

ただしEV投入計画を見直すのはフェラーリだけではなく、高級車ブランドやスポーツカーブランドのEV計画は以下のように変更がアナウンスされ、高性能×高価格帯のEVは「まだ市場の受け入れ態勢が整っていない」というのもまた覆しようのない現実。※一方でロールス・ロイスは「EVの販売が好調」だとして電動化計画を予定通り進めるとしている

  • ランボルギーニ:初のEVを2029年に延期
  • ポルシェ:マカンとタイカンの販売不振によりEV展開を縮小
  • マセラティ:スーパーカー「MC20」のEV化計画を完全に中止
  • ロータス:計画されていたEVの開発を一旦凍結、変わりにハイブリッドの投入へ
  • アストンマーティン:EV投入のタイミングを2030年以降へ後ろだおし
  • ベントレー:EVの開発をスローダウン、ハイブリッド中心の展開へ以降
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まとめ:高級EV市場は過渡期に突入か

フェラーリの第2弾EV延期は、自動車業界全体にとっても重要なシグナルであり、ブランド価値、パフォーマンス、顧客体験——これらを全てEVで実現するには、まだ技術的・文化的な課題が多く残っていることを示唆しています。

今後のポイント:

  • フェラーリ初のEVが市場でどう受け入れられるか?
  • 高級EVの価値基準はどのように進化するのか?
  • EV技術がスーパーカーファンの期待を超えられるのか?

引き続き、フェラーリ含め各社の動向には注視したいと思います。

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参照:Reuters

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  • この記事を書いた人

JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

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