| ランボルギーニはウラカン・ステラートをまったく新しい乗り物だと定義し、その先駆者だと考えている |
そして、アートイベントでは「これまでにないもの」を受け入れる土壌が形成されている
さて、ランボルギーニは「1-9月までの販売や利益が過去最高であった」とアナウンスしていますが、発行されたプレスリリースの最後にこっそり紹介されていたのが「ウラカン・ステラートを、年末にマイアミにて開催されるアート・バーゼルにて公開する」ということ。
アートバーゼル(マイアミ)は12月1日からはじまるので、12月1日もしくはその直前にオンラインにて公開される可能性が高く、あと1か月以内にはその姿を見ることができる、ということになりそうです。
なお、このアートバーゼルは文字通りアートに関連するイベントであって自動車との関連性は薄く、ここで過去に公開されたクルマというとアートカーばかりであり、新型車のお披露目を行う例はかなり珍しいと思います。
なぜウラカン・ステラートはアートバーゼルにて公開?
そこでちょっと気になるのが「なぜアートバーゼルにて公開するのか」。
ランボルギーニは今年、「ウラカン・テクニカ」「ウルス・ペルフォルマンテ」「ウルスS」という3つのニューモデルを公開しており、今回のウラカン・ステラートでは「4つめ」。
そして話題を分散させて常にネット上のホットな話題であり続けることを考慮すると、これらの発表時期については分散させる必要が生じ、そこで適切なイベントを探してたどり着いたのがアートバーゼルなのかもしれません。
ちなみに今回、ランボルギーニはウラカン「ステラート」という表現は用いておらず、「ウラカンのオールテレーンバージョン」という記載を行っています(よって、発表されるまで正式名称はわからない)。
同時に「スーパースポーツのあり方を再定義」「新しいセグメントを創出する」と述べていますが、ウラカン・ステラートは「スーパーカーのオフロードバージョン」であり、現時点では全く新しいカテゴリとなるわけですね。
そのため、こういった「完全に新しいカテゴリのクルマ」を発表するに際しては、保守的な自動車ファンが集まる場であるモーターショーであるよりも、斬新なものに対して理解度が高く、また受け入れようとする人々、そして他人の評価ではなく自身の基準によってモノを判断するであろう人々が集まるアートイベントが適切であると考えたのかもしれません。
そして「マイアミ」という地を選んだことについてもやはり「新しいものを受け入れることができる人々が多く集まっている(新しい文化が生まれやすい)」「土地柄、アクティブな製品とマッチしている」「なによりもお金に余裕がある人々が多い(そういった人々は心にも余裕がある)」という性質が影響しているのかも。
実際のところはどうランボルギーニが判断したのかはわからないものの、ランボルギーニがウラカン・ステラートを、「新しい場所で、新しい人々に、新しい乗り物として」公開したいと考えていることは間違いなく、これは変わりつつあるスーパーカーの存在意義を表しているのかもしれません。
かつて、スーパーカーというのは純粋に速さを求めて乗るクルマという選択肢でしたが(その速度を出せるのはスーパーカー以外に存在しなかった)、現代では最高速や加速に限った場合、スーパーカーよりも優れた数値を持つセダンやSUVがゴマンとおり、かつてのような理由でスーパーカーを選ぶ意味が薄くなっています。
反面、セレブ文化やSNSといった新しいカルチャーの台頭によってスーパーカーは「エキゾチックなファッションアイテム」として認識されるようになり、その捉えられ方が変わってきているのもまた事実。
そしてまだまだこれからもスーパーカーの存在意義は変化するものと思われ、そのきっかけとなるのがこのウラカン・ステラートなのかもしれません。
なお、ランボルギーニはプレスリリースにおいてもう一つ重要な事実を記載しており、それはこのウラカン・ステラートが「ガソリンエンジン車最後のモデルになる」ということ。
つまりこれから発表されるクルマはすべてハイブリッドそしてピュアエレクトリックになるということを意味していますが、(ウラカン・ステラートは)一つの時代の区切りをつける存在にして、新しい時代を示唆する存在になる、というのもまた興味深いと思います。
ランボルギーニ・ウラカン・ステラートのプロモーション動画はこちら
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参照:Lamborghini