| このエキセントリカ V12は非常に高価なクルマではあるが、その価値「以上」のものはあるだろう |
このクルマを運転する体験は「至福そのもの」だと考えられる
さて、つい先日はランボルギーニ・ディアブロのレストモッド「エキセントリカ V12」の実車が公開され大きな話題を呼んでいますが、これはサンマリノを拠点とするエキセントリカ・カーズによってプロデュースされるもので、クラシックなランボルギーニを改造してよりモダンな雰囲気にするため、あらゆる手段が講じられた芸術作品です。
1990年代のランボルギーニ・ディアブロほど心を躍らせるランボルギーニはそう多くない
このエキセントリカ V12のエクステリアはディアブロGTR(下の画像)を強く意識したもので、もちろんボディパネルはすべてカーボンファイバー製。
さらにはLEDデイタイムランニングライト付きの新しいフロントバンパー(ここもカーボンファイバー製)を装備し、ヘッドライトは「ポップダウン」に(ポップアップ式を採用しているという話もあったが、実際にはアストンマーティン・ブルドッグのようなポップダウン)。
なお、画像や動画を見るに、各パネルの段差やチリが極限まで縮小され、つまりは非常に高い精度をもって製造されていることがわかります。
リアにも多くの変更が加えられ、主なアップグレードはLEDテールライト、エンジンに燃料を供給するための新しいカーボンファイバー製ルーフスクープ、カプリスト製エキゾーストなど。
参考までにこちらは(オリジナルの)ディアブロ。
この均一なボディパネル、そしてピッタリ合ったチリを再現するには強固なシャシーが必要だと思われ(でないとすぐにパネルがずれたり、パネル同士が干渉する)、実際にこのエキセントリカV12のシャーシは複合素材にて強化され、サスペンションは新設計のダブルウィッシュボーンへ、そしてTracTive製アクティブ ダンパー装着といったアップグレードも。
そのほか(現代のスーパーカーでは当然の装備となった)最新のパワーステアリングシステムとフロントアクスルリフトシステムも装着され、ホイールは19インチ、タイヤはピレリ Pゼロ トロフェオR、ブレーキシステムは最新のブレンボ製へ。
搭載されるエンジンはオリジナルの5.7リッター自然吸気 V12、しかし新しいカムシャフトと電動スロットルボディによってアップグレードされ、出力は550馬力、トルクは600Nmへ。
これはオリジナルのディアブロより55馬力高い値ではあるものの、近年のレストモッド車両に比較すると控えめで、しかしこれはエキセントリカ・カーズが「加速や最高速、見かけの数字よりも、実際のドライビングエクスペリエンスを実現した」という理由に基づくと説明されています。※トランスミッションは6速マニュアル
ランボルギーニ・ディアブロのレストモッド、エキセントリカV12はこんなインテリアを持っている
そこでこのエキセントリカV12のインテリアを見ると、当時のレトロさや現代の新しさがシームレスに融合しており全体的なデザインはオリジナルのディアブロ(下の画像)を彷彿とさせますが・・・。
エキセントリカはスマートフォン経由でのミラーリングをサポートするデジタルリアビューミラー、新しいメーター、マランツ製オーディオシステムを装備し、クリーンでモダン、そしてエレガントで高品質なイメージに。
ちなみにメーターは「デジタル」を採用し、しかし最新のカラー液晶ではなく、1970−1980年代のコンセプトカー、1990年代の(ベクターなど)一部スーパーカーを彷彿とさせる「昔の人が考えた未来」っぽい意匠を持ち、かなりユニークな仕様だと言えそうです。
なお、このエキセントリカV12はわずか19台しか生産されず、幸運なオーナーには幅広いカスタマイズオプションが提供され、その価格は120万ユーロ(現在の為替レートだと約2億円)。
非常に高価なクルマではあるものの、その内容を見るに「けして高くはない」のかもしれませんね。
ランボルギーニ・ディアブロのレストモッド、エキセントリカV12を紹介する動画はこちら
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参照:Top Gear(YouTube)