
| 実際のところ、「車両中央でのダウンフォース発生」という考え方は昔から存在する |
さらには最新ハイパフォーマンスカーであっても同様である
さて、ランボルギーニはフェラーリとは異なって「ウイング」を市販車に対して積極的に導入するスポーツカーメーカーとして知られていますが、過去にはカウンタックに取り付けられていた「巨大なリアウイング」に加え、北米仕様で見られたフロントウイング、そしてイオタやミウラSVRに装着されていた「ルーフウイング」などが印象に残ります。
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ランボルギーニが「イオタ」を連想させるルーフスポイラーを特許出願
そして今回明らかになったのが「ランボルギーニが可動式ルーフスポイラーに関する特許を出願した」というもので、その目的は「車体中央にダウンフォースを発生させ、全体でのダウンフォースを最適化すること」。
今回出願された特許によると、そこではレヴエルトのルーフへと支柱とともに取り付けられたスポイラーを確認することができ、もちろん平時は格納されることで「それとわからない」ものの、いざ展開するとこれが「バーチカルリアウィンドウの後方に生じる低圧ゾーンを活用し、車両の中央部にダウンフォースを発生させる」こととなるわけですね。
これによって車両全体に発生させるダウンフォースを強化できるのはもちろん、重要なのは「車体中央にダウンフォースを生み出せる」ということで、「フロントだけ」「リアだけ」ではなく「車両全体でバランスよく」クルマを地面に押し付けることが可能となります。
なお、興味深いのは、この「可動式ルーフスポイラー」を装着したとしても、その車両は「可動式リアスポイラー」を有するということで、車両上部の空気の流れは常にリアスポイラーへと向かうように設計されているのですが、このルーフスポイラーとリアスポイラーとの組み合わせによって「状況に応じたダウンフォースの発生場所と強弱」をコントロールできるようになる可能性が高く、たとえばコーナリング中だと車両中央、加速時は(後輪のトラクションを確保できるよう)リヤセクションのダウンフォースを強化するといった使用方法も考えられます。
ちなみに「車両中央のダウンフォース」という考え方はけっこう重要なのだと見られ、たとえば(アメリカ車ではじめてニュルブルクリンクにて7秒以下のラップタイムを記録した)フォード・マスタングGTDは「リアよりも車体中央寄り」にリアウイングのステー(実際にダウンフォースを車体に伝えるのはステーである)を設置しており、ケーニグセグ・アゲーラ One:1やジェスコも「リアウイングのステーがけっこう前」。
Image:Ford
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これらのほか、古今東西のレーシングカーにおいても「前の方(キャビン直後)」にウイングを装着する例も見られ、今後この考え方はますます一般的となるのかもしれません。
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参照:CARBUZZ