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| テメラリオ・スーパートロフェオはGT3車両に比較して「デザインコンシャス」 |
ランボルギーニ、新型「テメラリオ・スーパートロフェオ」発表。2027年の世界デビューに向けて開発進行中
ランボルギーニが2027年シーズンからアジア、ヨーロッパ、北米で実戦投入される新型ワンメイクレースカー 「テメラリオ・スーパートロフェオ」 のデザインコンセプトを世界公開。
発表はイタリア・ミサノで開催された「ランボルギーニ・ワールドファイナルズ 2025」の週末にあわせて実施されており、同車はランボルギーニのカスタマー・レーシング部門「スクアドラ・コルセ」が送り出す6代目のスーパートロフェオモデルとなります。
ウラカン・スーパートロフェオの後継として開発。GT3版と技術を共有する「次世代レースカー」
テメラリオ・スーパートロフェオは長年にわたってワンメイクレースを支えてきたウラカン・スーパートロフェオの後継モデル。
また、2024年のグッドウッドで公開されたテメラリオ GT3と深く関連しており、多くのコンポーネントを共通使用していますが、そのため将来GT3参戦を目指すジェントルマンドライバーや若手にとって最適なステップアップマシンとしても位置づけられています。
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● 共通部品例
- V8ツインターボエンジン(非ハイブリッド仕様、650CV)
- 6速シーケンシャル・ギアボックス(Hoer製)
- サスペンションや空力部品の一部
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ちなみにこちらはテメラリオGT3。
こうやって見ると、「機能パーツ的」には共通するとはいえ、テメラリオ・スーパートロフェオとテメラリオGT3とは「似て非なる」デザインを持つということがわかりますね。
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そしてこちらはテメラリオGT3のリア。
リアフェンダーやリアディフューザーにテメラリオ・スーパートロフェオとの相違が見られ、正直言うとテメラリオ・スーパートロフェオのほうが「アグレッシブ」、あるいはデザインコンシャスであるようにも。
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その理由としては、テメラリオ・スーパートロフェオは「ワンメイク」だけにほかブランドのレーシングカーと競う必要がなく、よってランボルギーニにとってのプライオリティが「シリアスな競技性能」よりも「デザイン」にあるのかもしれません。
そしてこのテメラリオ・スーパートロフェオのデザインが今後発売されるであろうテメラリオのハードコアモデルに生かされる可能性もあり、このテメラリオ・スーパートロフェオは「未来を占う」存在であるとも考えられます。
歴史:2009年のガヤルドから始まる「Super Trofeo」プログラム
この「スーパートロフェオ」のルーツはランボルギーニが2009年に開催した初のワンメイクレースにあり、当時を振り返ってランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマンは次のようにコメント。※正確には累計1,383名のドライバーが参戦し、563レースが開催されている
「ランボルギーニは当初レーシングブランドとして生まれたわけではありません。しかし1300人以上のドライバーが参戦してきたSuper Trofeoは、今では我々の戦略の柱となっています。」
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スーパートロフェオの主なモデルの流れ
- 2009–2012:ガヤルド・スーパートロフェオ
- 2013–2015:ガヤルド LP 570-4 スーパートロフェオ
- 2015–2017:ウラカン LP 620-2 スーパートロフェオ
- 2018–2021:ウラカン スーパートロフェオ Evo
- 2022–2025:ウラカン スーパートロフェオ Evo2
テメラリオ・スーパートロフェオはこの歴史を継承しつつ、次世代へ進むための重要なモデルとして開発された「集大成」であるとも考えられ、そしてランボルギーニがスーパートロフェオ車両の開発を「ライター・エンジニアリングへと委託(ガヤルド)」⇒「ダラーラとの共同開発(ウラカン)」⇒「自社での開発(テメラリオ」へと移行させていることからも、ランボルギーニのモータースポーツに対する姿勢の変化を感じ取ることができ、そして技術を蓄積させてきたことが理解できます。
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テメラリオ・スーパートロフェオ:主な技術ハイライト
● エンジン/パワートレーン
- V8ツインターボ(非ハイブリッド)
- 最大出力 650CV
- GT3と共通の6速シーケンシャル・トランスミッション
● シャシー/安全性
- ALU/CFKハイブリッドシャシー
- FIA規定のロールケージをフル統合
- ABSブレーキ
- 12段階調整式トラクションコントロール
● パートナー企業
- Pertamina(オイル)
- Capristo(排気)
- KW(サスペンション)
- BMC(エアフィルター)
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世界初となる素材「Dinamica Infinity」を採用
なお、テメラリオ・スーパートロフェオには世界初となる「100% PES単一素材の自動車用スエード」、ダイナミカ・インフィニティ(Dinamica Infinity)が採用されているいい、これは「サステナビリティと高級感の両立を狙ったランボルギーニの新たな取り組み」であるともアナウンスがなされています。※現時点ではインテリアの画像が公開されていないが、環境に配慮した人工スエードであると考えられる
まとめ:レース界で重要な役割を担う“次世代ランボルギーニ”へ
ランボルギーニ・テメラリオ・スーパートロフェオはウラカンの後継、GT3への入り口、そして新たなカスタマーレース戦略の中心となる存在。
- 650CVのV8ツインターボ
- GT3をベースにした高いポテンシャル
- サステナブル素材“Dinamica Infinity”初採用
- 2027年よりアジア・欧州・北米で実戦投入
これらの要素は今後のランボルギーニにおけるモータースポーツの方向性を強く示しており、実際の「スーパートロフェオ」開催が待たれるといった状況です。
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