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ランボルギーニ、「セッレリア(Selleria)」新工房をサンタアガタ本社に開設。新型テメラリオ&レヴエルトの生産ライン刷新も完了

ランボルギーニ、「セッレリア(Selleria)」新工房をサンタアガタ本社に開設。新型テメラリオ&レヴエルトの生産ライン刷新も完了

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| ランボルギーニは「全モデルのハイブリッド化」にあわせ生産ラインを刷新 |

サンタアガータ・ボロニェーゼに新たな“心臓部”が誕生

ランボルギーニが2025年11月、イタリア・サンタアガータ・ボロニェーゼ本社工場において、新たな内装製作部門「セッレリア(Selleria)」を正式に開設した、と発表。

この部門は、同社のクラフトマンシップの象徴であり、同時に新世代スーパースポーツカー「レヴエルト(Revuelto)」および「テメラリオ(Temerario)」を製造する”刷新された生産ライン”とも密接に連携することになる、と説明されています。

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職人技とテクノロジーが融合する新しい“鞍工房”

「Selleria(セッレリア)」とはイタリア語で“鞍職人の工房”を意味し、ランボルギーニのインテリアを生み出す中枢。

今回のリニューアルにより、従来の1,400㎡から2,600㎡へと大幅拡張され、最先端の製造技術と作業効率を追求するレイアウトが導入されています。

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新工房には倍増された設備機器が導入され、エルゴノミクス(人間工学)を考慮した作業環境を整備することで新型テメラリオの量産に対応するだけでなく、従来以上にきめ細やかなオーダーメイド内装(Ad Personam)にも対応できる体制が整ったようですね。


「人と技術の融合」——ヴィンケルマンCEOのコメント

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ランボルギーニ会長兼CEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は次のように述べていますが、ここからも「人を大事にする」ランボルギーニ姿勢を伺うことができ、かつ「テクノロジー全盛」の現代においても「人の力」の重要性を理解していることがわかります。

「私たちは投資と開発を通じて継続的な成長を続けています。
サンタアガータ工場の最新の進化は、完全ハイブリッド化という変革へのコミットメントの証です。
この歩みは、戦略的ビジョンに基づくものであり、“人”と“テクノロジー”という二つの要素が、今後も同等に重要な役割を果たします。」

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“メイド・イン・イタリー”の象徴としてのセッレリア

セッレリア部門では、170名の熟練職人が勤務しており、高品質なレザーやマイクロファイバーを使用して94%以上の顧客が選択する「Ad Personam」プログラムに応じた完全オーダーメイド仕様の内装を手作業で仕立てることに。

参考までに、ぼくが最初にランボルギーニの工場を訪れた2017年だと、この「内装部門」は男子禁制であったものの、昨年の訪問では男性も多く業務に従事しており、ランボルギーニにおける「ジェンダーレス化」が進んでいることもわかります。

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そして新導入された自動レザー接着システムは素材体積に応じて糊の量を自動調整し、廃棄物や排出量を削減するというスグレモノ。

技術と伝統的なクラフトマンシップの融合による、環境負荷低減への具体的な取り組みの一例です。

さらに同社は、新素材や新技法に対応するための職人教育とスキル開発への投資も継続し、「人こそがブランドの進化を支える中心的存在」とするランボルギーニの哲学がここにも表れています。

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新世代生産ライン:ハイブリッド時代の象徴

このセッレリアのオープンと時を同じくし、サンタアガータ工場ではV8ツインターボ+ハイブリッドの新型テメラリオとV12ハイブリッド「レヴエルト」を同一ラインで製造するための再編が完了。

V8とV12という異なるアーキテクチャを、同一の作業ステーションで組み立てる統合型生産ラインが構築され、最大精度と品質を両立する新しい生産パラダイムが誕生していますが、新ラインでは1日あたりレヴエルト10台、テメラリオ20台を生産することが可能だといい、レヴエルトはすでにデリバリーが始まり、テメラリオも2026年初頭に顧客へと納車が開始される予定です。

すでにテメラリオは約1年分の生産枠が完売しており、ランボルギーニの新しい方向性に対する強い支持がうかがえますね。

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「マニファットゥーラ・ランボルギーニ」の新時代へ

ランボルギーニ製造部門最高責任者(CMO)のラニエリ・ニッコリ氏は次のようにコメントし、まさにランボルギーニが新時代を迎えたことを示唆。

生産規模の拡大だけではなく、その効率化に重点を置き、今まで以上の品質管理を目指すことに。

「生産ラインとセッレリアの拡張は、“マニファットゥーラ・ランボルギーニ”の進化における重要な節目です。
生産能力を倍増し、最新設備を導入し、ワークフローを最適化することで、効率と品質を高次元で両立しました。
ハイブリッド時代への移行と高まる顧客需要に応えるための、革新と職人技の融合こそが私たちの使命です。」

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参考までにですが、ぼくがウラカンLP610-4を購入した頃はまだ「品質管理がイマイチ」であったようで、レザーの品質にばらつきがあり、表面や質感が均一ではないレザーが使用されていたことを思い出しますが、それも「笑い話」として語られる時代に突入したということですね。


【まとめ】

新しいセッレリアと刷新された生産ラインは「単なる設備拡張」ではなく、ランボルギーニが掲げる「テクノロジーと人間の融合による未来志向のものづくり」を体現する象徴的なプロジェクト。

テメラリオの誕生によって全モデルがハイブリッド化を果たした今、ランボルギーニは“電動化と職人技の共存”という新たなステージへと向かっています。

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