
| ランボルギーニ、オフロードスーパーカーを継続の方針。次期「ステラート」はテメラリオベースでさらにアグレッシブに進化か |
ウラカン・ステラートの成功は偶然ではない
ポルシェ 911 ダカールと並び、スーパーカーの概念を「オフロード」という未踏の領域に持ち込んだランボルギーニ ウラカン・ステラート。
V10オフロードモンスターは惜しまれつつ生産を終了しましたが、そのコンセプトはどうやら終わっていないことが明らかに。
いきなり結論からいうと、ランボルギーニは、オフロード走行に特化した「ステラート」コンセプトを継続し、次期モデルではウラカン・ステラートよりもさらにアグレッシブで高性能な車両を投入すると明言しており、そのベースとなるのは、新型ハイブリッド・スーパーカー「テメラリオ(Temerario)」の可能性が高いのだそう。※あるいはフラッグシップの「レヴエルト(Revuelto)」の可能性も排除されていないようだ
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この決断は「スーパーカーの持つ可能性を拡張する」というランボルギーニの姿勢を改めて認識させられるもので、泥まみれで駆け抜けるランボルギーニが、今後も同社の「予想外(unexpected)」という核心的価値を体現し続けることを意味します。
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ランボルギーニ、「ステラート」を定番化か
今回、ランボルギーニのプロダクトライン・ディレクターであるパオロ・ラケッティ氏は自動車メディア『The Drive』によるインタビューに対し、ウラカン・ステラートの成功は予想を遥かに上回るものだったと認め、今後さらなるオフロードモデルを投入する準備があるとコメント。
ステラートは、標準モデルのウラカン EVOと比較して、サスペンションのトラベル量を35%増加させ、最低地上高を約44mm高めるなどの妥協のない設計により、ダート路面での走行を「興奮の体験」に変えるといった「ゲームチェンジャー」です。
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ラケッティ氏は、次期ステラート(ブランディングが再利用されるという前提で。ただしステラートの名が継続されるかどうかは明言されていない)の登場はまだ数年先になるだろうとしつつも、その成功が「テメラリオ・ファミリーの未来をオープンな考えで検討する機会」を与えたとも述べています。
これはテメラリオの初期納車が完了次第、レース仕様の「スーパートロフェオ」などのバリエーションがそれに続き、その後、オフロード仕様のステラートが製品サイクルの比較的早い段階で投入される可能性が高いとことを示唆しており、ランボルギーニは「自ら切り開いた、フェラーリともマクラーレンとも異なる聖地」を拡大したい意向なのかもしれません。
実際のところ、ランボルギーニのデザイナー、ミッチャ・ボルカート氏は「レヴエルトのオフロード版も検討した(しかし現段階では技術的に実現が難しい)とも述べており、ランボルギーニがこの分野に対して真剣な意向を持っていることもわかります。
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次期オフロードスーパーカー:ハイブリッド化がもたらす革新
次期ステラートのベースとして有力視されているのは、やはりウラカンの後継である「テメラリオ」。
テメラリオが採用するプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレインは、オフロード性能に革命的な進化をもたらす鍵になる、と見られています。
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電動化AWDが実現する異次元のトラクション
テメラリオのパワートレインは、エンジンとトランスミッションの間に配置されたモーターに加え、フロントアクスルに2つのエレクトリックモーターを備えていますが、このシステムは、次期ステラートのオフロード性能を劇的に向上させる可能性を秘めており、その理由は以下の通り。
- 精密なトルクベクタリング: フロントモーターを個別にチューニングすることで、低トラクション路面(砂利や泥など)での極めて精密なトルク制御が可能になる
- ドリフト制御の進化: テメラリオには、標準で低速ドリフト設定機能が搭載されており、これはステラート専用のドライブモードから着想を得たもの。次期ステラートでは、この機能をさらに微調整し、「スカンジナビアン・フリック(意図的なドリフトで方向転換するテクニック)」のような動きも、「より容易に、かつ安定して行えるようになる」と期待されている
- 安定性と制御性の向上: リアに搭載されたエレクトリックモーターは、V8ツインターボエンジンからのパワーが路面状況に対して過剰になった場合、その流れを制御する役割を果たし、これをさらに微調整することで、興奮を損なうことなく、より安定し、初心者にも扱いやすいオフロード性能が実現する
ハードウェアの改良点(予測)
ソフトウェアによる制御の強化に加え、もちろんハードウェア面でも徹底的なオフロード対策が施されることは間違いなく、現時点では以下が予想されています。
- ロングトラベル・サスペンション: さらなるサスペンションストロークの延長により悪路走破性が向上
- アンダーボディ・アーマー: 車体下部を保護する強化された装甲(アーマー)の追加
- 高クリアランス・バンパー: アプローチアングルとデパーチャーアングルを確保するための専用設計のフロントおよびリアバンパー
テメラリオの基本スペック(参考)
| 項目 | 詳細 | 補足 |
| パワートレイン | 4.0L V8ツインターボ PHEV | 10,000rpmの高回転型V8 |
| システム総合出力 | 920 CV | |
| トランスミッション | 8速DCT | |
| 駆動方式 | AWD (電子制御モーター含む) |
結論:スーパーカーの「意外性」こそが未来の鍵
ランボルギーニが次期ステラートをさらに過激にするという発表は、単なるバリエーション追加ではなく、「スーパーカーの存在意義」を再定義するもの。
ウラカン・ステラートの成功は、世界中の富裕層が「舗装された道から離れた、予期せぬ場所でスーパーカーの性能を解き放つ」という新しいドライビング・プレジャーを求めていることを証明しており、成功の理由は「ランボルギーニという究極のスポーツカーが、砂や泥の上でこそ真価を発揮する」という、この矛盾した、しかし極めて魅力的で勇敢なコンセプトを示したためなのかもしれません。
テメラリオの電動化技術が、オフロード性能を単なるリフトアップ以上の精密な制御の領域へと引き上げ、新しい価値観を提供することになる可能性をも秘めていて、ランボルギーニの「予想外(unexpected)」な挑戦は、これからもぼくらの好奇心を刺激し続けることとなりそうですね。
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参照:The Drive



















