最近、「身売り」「ブランド切り売り」の話が絶えないFCA(フィアット・クライスラー)。
最近では中国自動車メーカーによる買収話や、「ジープ」ブランドの売却が報じられているものの、今回は「マセラティとアルファロメオの売却」のウワサ。
実際のところちょうど1年ほど前にも同じ話題が出ていますが、今回また出てきたということは「実際に起こりうる」可能性も。
今回これを報じているのは「オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ」で、これによるとFCAは大量に販売が見込める市場にフォーカスしたい、とのこと。
つまりは「プレミアムブランド」ではなく「大衆車ブランド」に集中したいということで、これはメルセデス・ベンツやBMWとは真逆の動き。
たとえばBMWは「BMW」「ミニ」「ロールス・ロイス」を有しており、これらはいずれも「プレミアムカー」。
いわば「ブランド」ビジネスとも言え、一台あたりの利益を厚く取ることを考えた戦略ですね。
FCAは現在「アルファロメオ、クライスラー、フィアット、ジープ、アバルト、クライスラー、ダッジ、ジープ、ラム、モパー、マセラティ」を擁することになりますが、これのうちマセラティとアルファロメオを切り離し、「量販車」に特化しよう、ということになるのかもしれません(ルノー=日産・三菱に似ているかもしれない)。
なお報道では「アルファロメオとマセラティをあわせると」9000億円の価値があるとしており、同じくFCA保有の電子パーツ・制御系のマネッティ・マレリは6500億円の価値がある、と報じています。
今のところアルファロメオとマセラティを他の会社にそのまま「売却」するのか、フェラーリ同様に株式市場に上場させ、その後に株式を何処かへ譲渡するのか等、その売却方法については不明ですが、「フェラーリ上場」で味をしめたFCAとしては後者を選択するかもしれませんね。
ただしアルファロメオやマセラティについて「フェラーリ同様」に行くとは思えず、とくにマセラティは中華系投資家の資金を狙い、ニューヨークではなく香港にて株式を公開するのが良いかもしれません。
※アナリストによると、FCAを買う理由、資金両方ともに満たすのは中国の自動車メーカーだけだ、としている
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