| マセラティは過去にも「ボーラ」でミドシップレイアウトを採用したことがある |
先日、新たな中期計画を発表したマセラティ。
その中には「2020年にアルフィエーリを発売する」ということも含まれ、かつ嬉しいことに「グラントゥーリズモ、グランカブリオの新型車計画」も見られます。
反面、「8C」「GTV」といった、スーパースポーツ計画がキャンセルされたのもまた事実。
ただ、今回「公式」にてマセラティ自身が、その新しい計画にはないニューモデルの画像を公開しており、どうやら「隠し玉」を持っているようですね。
しかしながら、マセラティはあたらしい計画公表時に、これまで使用してきた「アルフィエーリ」の名を使用せず「オールニュー・スポーツカー」という呼称に改められていて、今回画像が公開されたクルマがその「オールニュー・スポーツカー」だとも考えられます(現在テスト中であること、発表が来年であることを考えると、タイムライン的にもマッチしている)。
アルファロメオ、マセラティが今後の計画を変更。8C、GTVは残念ながらキャンセル、しかしアルフィエーリは前倒しで登場しグラントゥーリズモ、グランカブリオはFMCも
新規開発プラットフォーム、新規開発エンジン採用か
マセラティはこのニューモデルについて多くを語らず、ただ伝えられるのは「自社で開発したエンジンを搭載」とだけ。
なお、マセラティはこれまでグラントゥーリズモ他に搭載するエンジンにつき、フェラーリからの供給を受けています。
フェラーリの工場で製造されたエンジンを、マセラティの工場へと運び込み、そこで車体を組み立てていたわけですね。
ただ、マセラティは最近「フェラーリからのエンジン供給契約を打ち切った」と報道されており、その「打ち切り」が今回の自社エンジン開発、というところに繋がるのかもしれません。
今回のニューモデル(のプロトタイプ)について、リアフェンダーに大きなエアインテークがあるところから見て「ミドシップ」。
さらに、ドアのプレスラインから見て「アルファロメオ4C」をベースにしている可能性が高そうです(マセラティとアルファロメオとは、現在同じくFCA=フィアット・クライスラー・オートモビル傘下にある)。※フロントホイールもアルファロメオ4C
アルファロメオ4Cは「カーボンモノコック」を基本構造に持つスポーツカーですが、その製造コストが「かなり高い」と言われ、よってマセラティが実際に新型スポーツカーを生産する際にはアルミ製スペースフレームを使用するだろうと予測されるものの、もちろんそのあたりは不透明。
ちなみに4Cの全幅は1,870ミリとけっこう大きく、それに「オーバーフェンダー」を取り付けているところを見るに、この新型マセラティは相当に大きな車なのかもしれません。
そのほか、このクルマについてマセラティが公表しているのは、「相当な距離をすでに走っていること」「ドライビングシミュレーターのデータ、実際の走行データをとあわせて開発を行っていること」「2020年5月に発表予定であること」。※マセラティのサイトでは、この新型スポーツカーのサウンドを公開している
ウワサとしては、この新型スポーツカーにつき、ガソリンエンジンのみではなはく「800Vハイブリッドシステム」を搭載することになるとも囁かれ、となるとフェラーリSF90ストラダーレにも匹敵するか、それ以上のパフォーマンスを発揮することになるのかも。
マセラティは1914年の創業で、もともとはレース用の自動車チューニング、レーシングカー作製を行う会社。
F1グランプリにてワールドチャンピオンを獲得したこともある生粋の「スポーツカーメーカー」ではありますが、その後資金難からオルシ家に経営権を渡し、その後(悪名高い・・・)デ・トマソが経営権を取得。
ここで誕生したのが「ビトゥルボ」で、このヒットによってマセラティはスポーツカーメーカーからラグジュアリーカーメーカーという性質を強めて現在に至ります。※マセラティの歴史は、マセラティ公式サイトにも記載がある
よって、現在のマセラティのイメージからすると「え?マセラティがピュアスポーツを?」という印象すら受けますが、本来のマセラティ、創業当時のマセラティがどういった会社であったかを掘り起こすと、今回の「スポーツカー」の発売は自然な流れであり、大きな期待がかかります。