| マセラティはその方向性を大きくシフトさせるようだ |
マセラティは新型スーパースポーツ「MC20」の開発を進めており、これは本来であれば2020年5月発表の予定。
ただしコロナウイルスの影響もあって、ブランドの再ローンチイベントともども9月へと発表が延期されています。
なお、5月発表予定だったということは「すでにかなりのレベルまで完成している」と考えてよく、そこで最近聞こえてくるのが「このMC20は、V6ツインターボエンジンを搭載し、出力は600馬力」というウワサ。
搭載されるエンジンは完全新設計と言われるが
排気量については不明ではあるものの、おそらくは3リッターあたりだと思われ、となると「リッターあたり200馬力」というトンデモナイ出力を発生することになりますね(フェラーリF8トリブートでも3.8リッターから720馬力=リッターあたり190馬力)。
マセラティはこれまでV8エンジンをフェラーリから購入しており、しかしつい最近その契約を打ち切り、このMC20についても「自社開発エンジン搭載」だとアナウンス。
マセラティがイキナリ高性能エンジンを開発するのは難しいとは思われますが、同じFCA傘下に属するアルファロメオが「フェラーリのノウハウを活かしたエンジンをジュリアに搭載したように」、MC20についても同様に(フェラーリから直接ユニットの供給は受けないものの)設計等についてはある程度の共有を行うのかもしれません。※現在フェラーリはFCAから切り離されているが、両方とも大株主はフィアット創業者一族なので、事実上の関連会社と言える
このMC20については現時点では不明なことが多く、車体はカーボンモノコックを採用するとも言われていて、実際に(カーボンモノコックを採用する)アルファロメオ4Cをベースにテストしていたことも。
なお、MC20とは「マセラティ・コルセ(Maserati Corse 2020)」の略で、マセラティのモータースポーツにおける歴史を想起させ、同時にサーキットへのカムバックを思わせるものとなっています。
実際にマセラティはこのMC20について「スーパースポーツカー」と表現しており、「MC12」の正当な後継そしてエボリューションモデルである、とも。
最近では、そのデザインがちょっとだけ分かるティーザー画像も公開されていますね。
マセラティMC12はこんなクルマ
参考までに、マセラティMC12はレース参戦を目的として開発され、2004年にマセラティ設立90周年記念モデルという扱いにて発売されていて、ベースとなるのはエンツォ・フェラーリ(MC12はフェラーリの支援を受けて開発されている)。
搭載されるエンジンはフェラーリ製の6リッターV12ですが、マセラティによる変更が加えられ、出力はエンツォよりもやや低めの632PS。
今回のウワサが本当であれば、MC12の632馬力には届かないものの、それでも「かなり」の高出力ということになりますね。
ちなみにこのMC20については「ガソリンエンジン」に加えてハイブリッドパワートレーンも用意されると言われるものの、こちらも状況は不透明。
当然ながらハイブリッドモデルは600馬力を超える出力を持つことになるのは間違いなさそうで、これらが実現すれば、スーパースポーツ界に一石を投じるのは間違いなさそうです。
マセラティは一般に「優雅でセクシーなクルマ」を作るブランドとしての認識があると思われますが、これはデ・トマソ時代に発売した「ビトゥルボ」のヒットがその方向性を決定づけたとも言ってよく、しかしその前までのマセラティはむしろレーシングカーコンストラクターとして知られていたほど(F1での優勝経験は9回)。
ここ最近のマセラティは業績低迷に苦しんでおり、というのも「サルーン」「SUV」という競争の厳しいジャンルに身をおいているためで、しかしながらマセラティは未来を「スポーツ」に見出したと見え、このMC20を皮切りに大きくブランドイメージを変化させるものと思われます。
VIA: Car and Driver