| バブル崩壊によって消え去った幻のNSX後継モデル |
2003年の東京モーターショーに於いて発表された、ホンダHSCコンセプト。
これは300馬力以上を発生する3.5リッターV6エンジンをミッドにマウントし6速セミオートマチック・トランスミッション、カーボンファイバー製ボディ、前後ダブルウィッシュボーンサスペンション、ブレンボ製ブレーキ、前後異径ホイール(19/20)、スワンスイングドアを持つスーパースポーツ。
ドアミラーには通常のミラーの代わりにカメラが内蔵され、テールランプはLED採用など、今の時代でも十分に通用する斬新さを持っています。
グランツーリスモにも収録済み
初代NSXが発表された1989年から4年後に発表されたため、NSX後継となる可能性があるかと考えられており、2004年にもHSCコンセプトはデトロイト・モーターショーに展示されたものの、その後まもなくホンダはHSCコンセプトについて「単なるコンセプトカー」だとアナウンス(おそらくはバブル崩壊によってNSXの販売が縮小したためにNSX後継の計画を凍結)。
なおHSCは「Honda Sports Concept」の略で、パフォーマンス面では0-100キロ加速4.7秒、最高時速は300キロ。
「グランツーリスモ4」、「グランツーリスモPSP」、「グランツーリスモ5」、「グランツーリスモ6」に収録されていることでも知られます。
ちなみにこのホンダHSCの市販化計画が見送られたのちにNSX後継として開発されたのが「Acura Advanced Sports Car Concept」で、2007年のデトロイト・モーターショーに出展しているものの、直後に起きたリーマン・ショックによってこれまた開発が中止に。
その後に「HSV-010(HSV=Honda Sports Velocity)」と名を変えて開発車両がSUPER GT参戦用車両へと転用された、と言われています。
そう考えるとNSXは初代登場後に後継モデルが計画されるもののバブル崩壊によって計画がなくなり、その後また後継モデルが新たに開発された時もリーマンショックで計画が潰える、という不遇の過去があった、ということに。
現行NSXについても発売までの道のりは平坦ではなく(エンジン搭載方法が変更になって発売がかなり伸びた)、何かと「運の悪かった」車なのかもしれません。
スタイルは今見てもなかなか斬新。
キャビンやCピラーはエンツォフェラーリを連想させますね。
一方でリアエンドはNSXとは随分異なるデザインで、テールランプ形状などもその前後に発表された「どのホンダ車にも」にていないもの。
なんとなくフロントはマクラーレンMP4-12C風(マクラーレンの方がずっと後の登場ですが)。
初代NSXよりもさらに「スーパーカー」っぽいルックスですね。
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VIA:Motor1