| 発売直後こそ好調ではあったものの、その後は需要が減少し、ホンダとしては「販売終了」という苦渋の決断に |
二代目ホンダNSXはけして悪い車ではなかったが、時代とはマッチしていなかったのかもしれない
さて、今年1月に生産が開始されたホンダ(アキュラ)NSX最終モデル”タイプS”。
限定台数350台に絞られ販売が行われていますが、今回最後の1台がオハイオ州メアリーズビルにあるホンダの工場、パフォーマンス・マニュファクチャリング・センターにてラインオフした、との報道。
ボディカラーはNSX Type S専用のゴッサムグレー、しかしどの国の顧客に収められるのかは非公開です(アキュラエンブレムがあるので、北米に納車されるものと思われる)。
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ホンダNSX Type Sはこんなクルマ
ホンダ(アキュラ)NSX Type Sは「NSXの最終記念限定モデル」となり、世界限定350台のみが生産されることになりますが、アメリカ市場に300台、日本市場向けに30台、その他の市場に20台が振り分けられます。
日本国内だと、通常モデルの2420万円に対して、TypeSで価格は2794万円という価格設定を持ち、購入には「審査」があるとされ、初代NSXのオーナーやNSXの2020年モデルを購入できなかった人が優先されるといい、しかし多くの自動車ジャーナリストが購入しているところを見ると、「著名人優先」なところもあるのかもしれません。
搭載されるエンジンについてはアルミニウム合金製の3.5リッターV6ツインターボエンジン、そしてこれに3基の電気モーターを組み合わせ、システム合計では600ps(447kW / 608PS)、トルクは492lb-ft(667Nm)を発生し、これは通常のNSXよりもそれぞれ27馬力(20kW / 27PS)、16lb-ft(22Nm)の数値向上。
さらには足回りも専用にチューニングされ、「NSX史上もっとも優れるハンドリング」を実現したとアナウンスされていますが、カーボンセラミックブレーキ、カーボンファイバーエンジンカバー、カーボンファイバーインテリアパッケージを追加することで、26kgの軽量化を実現でき、さらにその性能に磨きをかけることができるようですね。
第3世代のホンダNSXは「ピュアエレクトリック」に?
なお、ホンダNSX(初代)は1990年~2005年まで発売されており、その後2007年にはアキュラ・アドバンスド・スポーツカーコンセプトとして後継モデルが示唆されるも、直後に発生したリーマンショックによってスポーツカー市場が縮小したと判断されたことでこの計画は一旦キャンセル。
しかしその後2012年にNSXコンセプトが登場し、これが第2世代のNSXへと発展することとなっていますが、エンジンの搭載方法を変更するなど開発段階において様々なチャレンジがあり、実際に発売されたのはその3年後となっています(生産は2016年から)。
この第二世代NSXは初代のカリスマ的人気を引き継ぎ、立ち上がりこそ好調であったものの、その後販売がスローダウンしてしまい、オーストラリアでは2020年に「登録ゼロ」、日本でも「最も売れていないクルマ」になってしまったと報じられたことも。
その失敗の原因については様々な議論がなされていますが、初代NSXはそれまでのスーパーカーが持っていないものを備え、スーパーカー市場に一石を投じた上、フェラーリなどのスーパーカーメーカーに対し、その後のあり方について再考させるきっかけになったと言われます。
一方で二代目NSXは「ハイブリッド」という新機軸を持っていたものの、初代のように「革命的」な存在ではなく、「その他大勢の中のひとつの選択肢」にしかなりえなかったのかもしれません。
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つまり二代目NSXは初代同様の輝きを発揮することができなかったのが偽らざる事実でもあり、結果的にホンダはやむなく販売終了を宣言することとなってしまい、ホンダ関係者は「第三世代のNSX」についても発売を示唆するコメントを残していて、新時代のNSXを期待したいところですね。
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ちなみにですが、NSXを製造していたパフォーマンス・マニュファクチャリング・センター(PMC)では、これまでにもNSXと同じカラーを持ち、NSXと同じラインで製造されるPMCエディションを何度かリリースしていますが、こちらの生産は今後も継続して行われる、とのこと。
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