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「走らない時間」に焦点:新しいコンセプトを持つシャープのEV「LDK+」はガレージで“家族になる”。家と一体化する新しい考え方に注目

「走らない時間」に焦点:新しいコンセプトを持つシャープのEV「LDK+」はガレージで“家族になる”。家と一体化する新しい考え方に注目

Image:SHARP

| ガレージで眠るクルマはもう古い?シャープが提案する「新しいくらし」 |

このコンセプトはある意味で「自宅の増築」のようなものである

さて、シャープがEVコンセプト「LDK+(エルディーケープラス)」を発表していますが、これは「自宅ガレージにクルマを納めた後、ただの”箱”として次の出番を待っている時間」の活用に焦点を当てたクルマ。※今回発表されたものは昨年の同名コンセプトに続く第二弾

多くのクルマにとって、駐車場での保管されている時間は「クルマとしての活動を休止している期間」です。

しかしシャープは、この時間にこそ焦点を当て、EV(電気自動車)の新しい捉え方を示すコンセプトモデルとしてLDK+(エルディーケープラス)を発表したわけですね。※ただ、シャープは「手の届く価格で発売したい」ともコメントしており、実際の発売を念頭に置いているようだ

シャープがバックドア内部に「65インチの液晶ディスプレイ」を内蔵したEV、「LDK+」を突如発表。クルマをリビングの延長として活用する同社らしいクルマに
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Sharp-LDK (7)

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LDK+のコンセプトは「リビングルームの拡張空間

シャープが目指すのは、クルマがガレージに“Park”した瞬間に「Part of your home(あなたの家の一部)」になるという革新的なコンセプト。

これは、これまで暮らしを見つめてきたSHARPだからこそつくることができるクルマの形だと言えますが、従来のクルマは”移動手段”であったものの、「LDK+」は、「リビングルームの拡張空間」としての活用を提案しており、その名が示す通り、クルマを「リビングルームに連結してリビングルームを拡張する存在」として捉えている、ということに。

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つまるところ、このクルマによって家の面積が増えることになるとも考えられ、一見すると荒唐無稽のように見えるものの、実はけっこう面白い考え方なのかもしれません。

なお、このLDK+は鴻海科技集團(Foxconn)のEV「Model A」をベースに開発され、コンパクトミニバンサイズでありながら、ゆったりと過ごせる広々とした車内空間を実現しており、実際に「部屋」として機能させるには十分なスペースを持っているようですね。

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駐車時間が家族と過ごす特別な時間へ

「LDK+」が魅力的である最大の理由は、駐車中の時間の使い方の提案にあり、たとえば、車内は次のような用途で活用が想定されます。

1. 家族団らんのシアタールーム:後部座席上部に設置されたスクリーンを下ろし、プロジェクターを利用することで、大画面で映画を楽しめる

2. リモートワークや勉強部屋:運転席と助手席の間にテーブルを備えたコンソールボックスが配置され、リモートワークや集中して勉強する部屋として活用できる

3. 対面式リビング:運転席を後ろ向きに回転させれば後部座席と対面する配置になり、まるで自宅のリビングのような空間が誕生する

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Image:SHARP

「LDK+」は、ガレージについたらおやすみ、だったこれまでのクルマの概念を打ち破り、家族と、暮らしと、ずっといっしょにいられる存在へと進化するといことに。

ただ、ぼくとしてはシャープが提案する「家族団らん」としてよりも(広そうなクルマではあるが、さすがにこの車内で家族の団らんはキツいだろう)、プライベート空間を確保するための存在としての使い方のほうが現実にマッチしているんじゃないかと考えていて、たっとえば自分一人でネットフリックス観たり、閉鎖環境にて受験を迎える子どもが勉強する、家族に理解されない趣味を一人で楽しむ、といったようなイメージです。

Sharp-LDK (5)

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家電とエネルギーがつながる未来のライフスタイル

単に空間が広がるだけでなく、「LDK+」の核となるのは、家とクルマとをつなぐシャープ独自の先進技術。

EVと家電のシームレスな連携(AIoT/CE-LLM)

シャープは、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット化)を組み合わせた造語である「AIoT」のプラットフォームを通じ、EVと家の中の家電(キッチン、空調、ランドリーなど)を連携させます。

さらに、シャープ独自のAI技術「CE-LLM(Communication Edge - Large Language Model)」やセンシング技術を組み合わせることで、AIが生活パターンや好みを学習し、「人に寄り添う」新しいライフスタイルを創出し、クルマが家族の一員として、快適な暮らしをサポートしてくれる環境を目指しているもよう。

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エネルギーマネジメントの中心地へ(V2H連携)

未来のクルマに欠かせないのがエネルギー効率ですが、「LDK+」は、V2H(Vehicle to Home)システムとも連携し、このV2Hは、EVの大容量バッテリーに蓄えた電力を家庭で使用するシステムです。

これに太陽光発電や住宅用蓄電池を組み合わせることで、クルマが単なる移動手段ではなく、効率的なエネルギーマネジメントを実現する中心的な役割を担うこととなり、サステナブルな暮らしを実現するモビリティの未来を切り拓く提案が実現しています。

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シャープLDK+:まとめ

シャープのEV「LDK+」は、車を「移動手段」から「生活空間の一部」へと昇華させる、非常に共感性の高い提案です。

「止まっている時間」を有効活用したいと考える人々にとって、リビングルームの拡張、エネルギー連携、そして家族との新しい過ごし方を提示する「LDK+」は、モビリティの未来を大きく変える可能性を秘めている存在なのではないかと考えています。

シャープのEV「LDK+」を紹介する公式動画はこちら

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参照:SHARP

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