| マツダMX-30にとって米国市場では不利な条件が揃いすぎていた |
やはり普及価格帯ブランドにとっては「価格性能比」が成否において大きな要因となるもよう
さて、マツダMX-30(EVモデル)が米国にて販売終了を迎えることに。
その理由はズバリ「売れていないから」で、魅力的なデザインを持ち、内装も良く、ハンドリングにも優れており、しかし電気自動車としての性能が相対的に低いことが好調な販売を獲得できなかった原因だと見られています。
たしかにマツダMX-30は上質なクルマではあるが
実際のところマツダMX-30(EVであってもそうでなくても)は非常に魅力的なクルマだと思うのですが、ここ日本においてもセールスは芳しくないようで、自販連の発表するチャートにも姿を出したことがほぼなく、そしてEVモデルはガソリンモデルの「倍近い」価格なのでさらに売れていないという状況だと思われます(ただ、目標販売台数自体もかなり少なく、マツダにとっては試験販売といった感覚なのかもしれない)。
そしてアメリカでの位置づけは不明ではあるものの、出力わずか143PS、0−96km(60マイル) /h加速に10秒近くかかり、さらに一回の満充電あたり航続距離が160km(EPA)となると、買う理由を探す方が難しいのかもしれません(もともとサイズ的にもアメリカ向きではない。加えてアメリカではカリフォルニア以外では販売していない)。
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マツダは今回の発表の中で「我々の現在の米国における電動化の取り組みは、2024年に初公開されるCX-90 PHEVや、今後発売予定のCX-70 PHEVなどの大型プラットフォームPHEVに重点を置いている。また、米国市場特有のニーズに対応するため、CX-50ハイブリッドをラインナップに導入する」とコメントしており、EVからPHEVへと軸足を移すものと考えて良いのかも。
なお、この「EVからPHEVへ」というのは賢明な選択だと思われ、というのもマツダの販売規模だと「自社でEVを開発する」にはコストがかかりすぎて体力を消耗してしまい、しかしトヨタとの協業にてbZ4Xのバッジエンジニアリングバージョンを投入したとしても、まず現在の「競争が熾烈な」市場で勝ち抜ける可能性が非常に小さく、となると自身が強みを発揮できる分野(つまりマツダの洗練されたSUVとPHEVという組み合わせ)にて勝負したほうがずっと勝算が高いと思われるためで、MX-30 EVモデルについては成功に結びつかなかったものの、マツダとしては一定の解を得るに繋がったモデルなのかもしれません(もちろん、マツダはリスクを最小限に抑えるためにガソリンモデルを用意したのだと思われ、ダメージは想定の範囲内なのだと思われる)。
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