| おそらくはパワーアップに起因するMT容量不足、そして騒音や環境規制に対応できないためだと思われる |
だからといって新規にマニュアル・トランスミッションを開発することは難しい
さて、つい先日は日産が公式にて新型フェアレディZ NISMOのティーザー動画公開していますが、今回はそのオーダーガイドが新型フェアレディZ専門掲示板「New Nissan Z Forum」にてリークされ、そこで「マニュアル・トランスミッションが用意されない」ことが明らかになっています。
たしかに先日公開されたティーザー動画に登場するのは「マニュアルではなくオートマチック」仕様ではあったものの、ニスモというエンスージアスト向けのグレードにてマニュアル・トランスミッションが用意されないのはちょっとした驚きでもありますね。
なぜ日産は新型フェアレディZ NSMOにMTを用意しないのか?
そこで気になるのが「なぜ日産はフェアレディZ ニスモにマニュアル・トランスミッションを用意しないのか」。
これについてはいくつかの仮説があり、ひとつは「マニュアル・トランスミッションだと騒音規制をクリアできないから」。
実際のところ、ニスモバージョンではない通常のフェアレディZであってもマニュアル・トランスミッション車で騒音規制をパスさせることは難しく、よってAT版よりも「静かな」エキゾーストシステムを搭載していることが明らかになっています(MTとATでは、騒音の計測方法が異なるため)。
そしてニスモバージョンに装着されるであろう専用エキゾーストシステムであれば「さらに」マニュアル・トランスミッションにて規制をクリアさせることが難しく、しかし規制のために「静かなマフラー」へと変更してしまうと、それはそれで本末転倒なのかもしれません。
-
ウソのような本当の話!新型フェアレディZは「騒音規制の計測方法がAMとMTで異なるため」MTのほうがより静かなマフラーを装着している
| そうしないとマニュアル・トランスミッション車では騒音規制をクリアできない | まさかこんな事情があったとは さて、新型フェアレディZは「マニュアル・トランスミッションを用意する」という近年珍しいス ...
続きを見る
さらに考えられるのが「環境規制」であり、これもマニュアル・トランスミッションとオートマチック・トランスミッションでは計測による結果に差異が生じ、マニュアル・トランスミッションのほうが「より厳しい結果が出る」と言われていて、これはアストンマーティンがMTを廃止した理由の一つとして挙げられています。
そしてもちろん、フェアレディZ ニスモでは出力が向上しているはずであり、よってそのぶんCO2排出量が増加している可能性が高く、そして「MTだと規制をクリアできない」のかもしれません。
-
アストンマーティンが2022年にもMT廃止を決定!「MT導入は愚かな判断だった」「MTはもう不要」「MTでは環境規制に対応できない」
| アストンマーティンはマニュアル・トランスミッションを作り続けると宣言していたが | 実際のところ、誰もマニュアル・トランスミッションは求めていなかった さて、このところチョコチョコと情報が伝えられ ...
続きを見る
加えて3つ目の理由は「6速マニュアル・トランスミッションが、フェアレディZ ニスモの発生するトルクに耐えられない」。
こちらも「通常版のフェアレディZであれば問題はないものの、パワーとトルクが向上したフェアレディZ ニスモだと許容範囲を超える」のかもしれません。
ちなみにBMWも同様の問題にて「ハイパワーなモデルはATのみ」の設定となっていますね。
現時点で新型フェアレディZ ニスモに「MTが設定されない」理由はこの3つくらいですが、いずれも「パワーアップしたがため」にMTでは対応できなくなったというもので、そのため新型フェアレディZ NISMOでは「パワーアップしている可能性がかなり高い」とも考えています(パワーアップしていなければMTが用意されるはずである)。
-
参考北米ではもう「300馬力オーバーのMT車」が16車種しか買えないらしい・・・。日本だともっと選択が少ないもよう
| 知らない間にどんどんマニュアル・トランスミッション車が生産中止になってゆく | そしてMT搭載車の数が増えることは今後もないだろう さて、現在世界中にてスポーツカー、そしてマニュアル・トランスミッ ...
続きを見る
新型日産フェアレディZにはこんな選択肢も
そしてリークされたオーダーガイドにはいくつかの情報が記載されており、ボディカラーだとブラックダイヤモンドパールのみが無償となっていて、その他のブリリアントシルバー・ツートーン、パッションレッド(3層コート)、エベレストホワイトパール(3層コート)、ニスモ専用カラーのステルスグレーいずれも「有償オプション」。
加えてデュアル・レーシング・ストライプ・パッケージも用意され、インテリアはブラック&レッドのメッシュルック仕様のみ、とのこと。
合わせて読みたい、新型フェアレディZ関連投稿
-
日産が新型フェアレディZ NISMOのティーザー動画を公開。内外装が明らかになり、GT-R NISMOとの共通点、そして「Gノーズ」風のフロントも【動画】
| 新型日産フェアレディZ NISMOは見るからに楽しそうなクルマに仕上がっているようだ | 現時点では発売時期や価格に関する情報は未公開 さて、日産がついに新型フェアレディZ「ニスモ」のティーザーキ ...
続きを見る
-
日産がフェアレディZに積まれるエンジン「VR30DDTT」をシースルー化!コンロッドやバルブ、タービンなど各パーツの動きと役割がわかるように【動画】
| このVR30DDTTは実際のエンジンをスペシャリストが加工したもの | できればミニチュア化して販売してほしいものだ さて、日産がフェアレディZに積まれるエンジン「VR30DDTT」の一部をクリア ...
続きを見る
-
カナダへ初に納車された新型フェアレディZが走行わずか16km、3日後にクラッシュ。雪が降りしきる中でトラクションコントロールをOFFにするとこうなる・・・
| どうやらこの新型フェアレディZの事故はあるていど予見できていたようだ | それでもけが人が出なかったのは幸いである さて、日本だと展示車も回ってこないほど供給が少ない新型フェアレディZですが、北米 ...
続きを見る
参照:Nissan USA, etc.