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衝撃の「新型WRX S4ベースのWRX STIはない」発言から数日。スバルが公的に「なぜガソリンエンジン版のWRX STIを発売しないのか」に言及

2022/03/16

衝撃の「新型WRX S4ベースのWRX STIはない」発言から数日。スバルが公的に「なぜガソリンエンジン版のWRX STIを発売しないのか」に言及

| おそらく、スバルはつい最近まで新型WRX S4ベースのWRX STIを投入する計画でいたのだとは思われる |

スバルだけではなく、多くの自動車メーカーが規制の波に翻弄される

さて、先週「スバルが公式に、新型WRXにはSTIバージョンは存在しない」「次期WRX STIはエレクトリックバージョンという方向性で模索中」という衝撃のコメントを発して世間を驚かせましたが、これはスバルが今まで「ヴィジヴ・パフォーマンス・コンセプト(Viziv Performance Concept)は次期WRX STIのプレビュー」というスタンスを貫いていただけになおさら驚きを隠せない、といったところです。

スバルは東京オートサロンにおいても、新型WRX STIではなく「E-RA」コンセプトなる、完全電動化がなされたレーシングカーをコンセプトモデルとして展示しており、この時点ですでに「ガソリンエンジンを積んだWRX STIは存在しない」という方向性に切り替わっていたのかもしれません。

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いったいなぜスバルは方向転換を?

そこで今回報道されているのが、「なぜスバルは新型WRX S4にSTIを設定しないのかという理由」。

これはスバルの北米法人にて広報部長を務めるドミニク・アンファンテ氏によって説明されており、その理由とはズバリ「規制の変化があまりに速い」というもので、仮に現在WRX STIを開発し発売したとしても、すぐに規制によって販売が継続できなくなってしまい、その販売期間の短さを考慮すると「現在WRX STIを投入することを正当化できる理由が見いだせない」とのこと。

もちろん新型車の開発には相応のコストがかかり、販売においてもプロモーション含む費用がかかってくるわけですが、販売期間が短いとそれらを回収できない、というわけですね(仮に短期間でそれを回収しようとなると、とんでもなく高価なクルマになる)。

とくにスバルはコスト意識が非常に高く、現在でも使用するプラットフォームは(BRZを除くと)スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)に集約され、エンジンやトランスミッションも少ない種類に限定されています。

さらに最近まではエンジン(EJ型)やトランスミッションについても30年くらい同じものを使いまわしており、とにかく「長期に渡り販売できないものに投資はできない」という体質を持っているとも考えられます。

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ただしWRX STIは消滅するわけではない

しかしながら、今回「新型WRX S4ベースでのWRX STIはない」という発言を行ったものの、WRX STIそのものが消滅するわけではなく、現在スバルは(上述の通り)電動化路線にてWRX STI実現の方向性を探っており、「いつか将来」新型WRX STIが登場するのは間違いなさそう。

ただ、スバルはそのベースとなるべきハイブリッドもしくはピュアエレクトリックモデルを持たず、可能性として考えられるのは「ソルテラ」のみ。

このソルテラはトヨタが設計したbZ4Xのバッジエンジニアリング車ということになりそうですが、これにはトヨタ入魂の4WD技術「DIRECT4」が搭載されており、その内容を見る限りだと「WRX STIを名乗るポテンシャル」は感じられるものの、「WRX STI」として誰もが納得するスペックを持たせることができるかどうかは疑問です。

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そしてこのbZ4Xとソルテラの関係性を見てもわかるとおり、スバルの電動化技術はトヨタに依存していて(もともとスバルは、お金のかかる電動化については自社で開発することを最初から放棄しており、”必要になればトヨタから買ってくる”という姿勢でもある)、よってしばらく先に登場するであろう、電動化された「新型WRX STI」についても「基本的にはトヨタ」ということになるのかもしれません。

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