本当に実現できれば一大事
トヨタのスポーツ車両統括責任部長、多田哲哉氏によると、GRスープラはニュルブルクリンクを7分40秒程度で走行できる、とのこと。
ただし現在のところはニュルブルクリンクのタイムアタックを行っていないので「想像」の範囲に留まりそうですが、新型スープラは幾度となくニュルブルクリンクを走り込むことで熟成を重ねており、そこから得た感触であれば実際にこのタイムを出すことは難しくないのかもしれません。
スープラはリミッターがかかった状態でテストを行っていた
上述の多田氏によると、「我々はスピードリミッターの範囲内で走行テストを繰り返していた。しかしある日、そのリミッターをカットしてみたところ、新型スープラはとんでもなく速いクルマであることがわかった。とても、とても速いクルマだ。その日の手応えからするに8分は容易に切れる。7分50、いや7分40秒も難しくはない」。※リミッターが何キロなのかは不明
これが事実だとすると「けっこう衝撃的」で、同じプラットフォームを使用し、しかしよりパワフルなBMW Z4 M40iの記録した7分55秒を簡単に凌駕するタイムをスープラは出せる、ということに。
なお、価格についてBMW Z4 M40iは64,695ドル、トヨタGRスープラは4,999ドル。
つまり両者の間には150万円以上の価格差があるということになりますが、それでもZ4より速く走れるという確信をトヨタは持っている、というわけですね(繰り返しですが、トヨタはニュルブルクリンクを走り込んでいるので、なんらかの根拠があるのだと思われる)。
ちなみにニュルブルクリンクで7分40秒というとレクサスLFA(7:38.85)、アルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(7:39.00)、ポルシェ911ターボ(997世代、7:39.00)、フェラーリ430スクーデリア(7:39)、ブガッティ・ヴェイロン(7:40)、メルセデス・ベンツSLRマクラーレン(7:40)、ポルシェ・ケイマンGT4(7:42.00)といった面々。
これらの中で最も安価なのはアルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオかケイマンGT4ということになりそうですが、それでも価格は「1000万円近く」。
ヴェイロンに至っては1億7000万円という新車価格を誇り、新型スープラが本当にこのタイムを出せるのであれば、「世界一コストパフォーマンスに優れるクルマ」と言っても良さそうです。
なお、ニュルブルクリンクのタイムは現代のハイパフォーマンスカー(のセールス)において非常に重要な意味を持つに至っており、とくに「首位」はどのメーカーもが欲しがる称号。
しかし「総合で」首位を獲ることは非常に難しく、よって各社とも「サルーン最速」「SUV最速」「FF最速」といった感じでカテゴリを細分化し、その中での「首位」を争っているわけですね。
なお、最近だとメルセデス・ベンツが「4ドア」とは別に「4ドアクーペ」最速という肩書を作ってしまい、もう「言ったモン勝ち」といった状況となっています(そのうち”SUV”も”クーペSUV”といった感じで分化しそう)。