| ただし北米ではMAZDA2がトヨタ・ヤリスとして販売されている |
マツダとトヨタとの結びつきがさらに強くなる模様。
マツダはつい先ごろ、「トヨタ・ヤリスクロス(ハイブリッド)」のOEMモデルをマツダブランドにて(欧州市場で)販売すると発表したばかりですが、今回は「ヤリスTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)」をマツダ2として販売するという報道がなされています。
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マツダが欧州で「ヤリスハイブリッド」のOEM版(MAZDA20?)を発売!一方北米では逆にトヨタがMAZDA2を「ヤリス」として販売中
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新型MAZDA2の生産は欧州にて
なお、この「新型MAZDA2」について、トヨタの保有する南フランス工場にて生産されると言われますが、ちょっと面白いのは、北米市場では「マツダがトヨタに車両を供給し、MAZDA2がトヨタ・ヤリスとして販売されている」ということ。
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コロナウイルスが一夜にして考え方をシフトさせた
こういった傾向については、簡単に言うと「(開発費低減による)コスト削減」ということになりますが、これまでは「ゆるやかに」進んでいた方向性でもありますね(北米市場の件はコロナ前からで、前々から計画されていたものではありますが)。
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ただし急激にこれがシフトしたのは「コロナウイルスの影響」が出てからだと認識していて、これが各自動車メーカーに尋常ならざる危機感を抱かせ、「何が何でもコストを削減せねば」ということからなりふりかまわぬ行動に走らせ、一気にコストダウンの流れが加速することに。
これはたとえば「ずっと変わらなかったハンコ文化や、訪問営業スタイルが、コロナのために一瞬で変わった、もしくは変わろうとしている」のとよく似ていますが、そう考えると、長い目で見た場合は「コロナウイルスも悪い面ばかりではなく」、企業の体質を強くし、長きに渡り存続するための変化をもたらしたと考えることもできそうですね。
実際のところ、トヨタは(たびたび報道されるように)急速にその体力を高めつつあり、コロナ前に比較するとその「体質」そのものも健全になったと考えられます。
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フォルクスワーゲンも「ディーゼル不正事件」で強くなる
ちょっと前の例だと、フォルクスワーゲングループの「ディーゼル不正事件」が発覚し、これによって多額の補償金を支払う必要が生じ、かつイメージダウンにて販売台数が減ってしまい、あわや会社の危機というところまで行きましたが、フォルクスワーゲンはプラットフォームの統合やパーツの共有化、車種整理によって「むしろディーゼル不正事件前よりも利益が出る体質」になったということも。
トヨタ、そしてフォルクスワーゲンともに短期間で急激に構造改革を行ったわけですが、「やったら出来るんだ・・・。」というのが正直な印象です。
つまり、「やったらできる」ものの、それまではクリティカルな状況に陥ることがなかったために手を付けることをせず、しかしディーゼル不正事件やコロナショックという要因によって”構造改革の必要性”が生じ、いやがおうでもやらざるを得なくなったということになりますね(そして、やってみたら意外とできた)。
マツダは欧州でのCO2排出量を引き下げたい
そしてマツダは欧州市場にて(CAFE規制対応のため)CO2排出量を下げたいという意向を持っていて、すでにCO2排出量の大きな2リッターエンジン搭載のロードスターの販売を制限していますが、ヤリスクロス、ヤリスのハイブリッドモデルをマツダブランドで投入するというのもやはりCO2総排出量引き下げが主目的だとも考えられます。
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マツダが欧州で「ヤリスハイブリッド」のOEM版(MAZDA20?)を発売!一方北米では逆にトヨタがMAZDA2を「ヤリス」として販売中
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そしてハイブリッド技術を自社で開発するよりも、トヨタからの「車両ごとOEM」によって問題解決を図るというのも「効率化」「コストダウン」の手法でもあり、今後はこの流れがさらに加速することになるのは間違いなく、エンジン含むコンポーネント、そしてプラットフォームの共有がトヨタとマツダ、もしかするとスバルやスズキにも拡大するかもしれませんね。
参照:Autocar